中野:やはり、前年の『キョウリュウジャー』人気がありましたから、あれに負けないようなものを、ということですよね! もちろん、直前の作品とは、はっきり違いをつけるよう意識されています。『キョウリュウジャー』が生物的なキャラだから、次はやはりメカものかな、とか。
武部:それは非常に面白いですね。
――電車がモチーフといえば、2007年の『仮面ライダー電王』がありますが、『トッキュウジャー』は『電王』と被る部分もありそうですが。
宇都宮:それが、電車モチーフの『スーパー戦隊』に決まる前に、すでに小林靖子さん(『仮面ライダー電王』で脚本を執筆)にメインライターをお願いしていました。ですから、結果的に被ってしまって小林さんには申し訳ないことを(苦笑)。
大田原:電車のヒーローだから、意図して小林さんにお願いしたわけではなかったんですね。
宇都宮:最初は別の「戦隊」だったつもりが、電車の『スーパー戦隊』になってしまい、お詫びのメールを出しました。
中野:小林さんはどんな反応でした?
宇都宮:まあ、シナリオにかかるまでにはいろいろなアイデアが出ていましたから、小林さんもあきらめてたんじゃないでしょうか(笑)。でも、小林さんの気持ちになって考えたら「またか!」って感じで、何か嫌がらせみたいですよね。僕は電車のヒーローを担当したことがないので、やっていて楽しいんですけど。
――玩具の展開としてはどうでしょうか。
中野:今の『スーパー戦隊』シリーズは、年間で複数体の巨大ロボットを提案させていただきたいと思っています。そうなると、どれもこれも電車の形をしたロボットだと、変わり映えがしなくなる。そのあたりは、デザインを担当されているプレックスさんと相談しながら、1年間の商品展開の中で、いかに子どもたちを飽きさせないようにするのか、特に意識しています。
大田原:今回の映画では、動物モチーフの「サファリレッシャー」が出てきますから。
中野:序盤は、「タンクレッシャー」とか「カーキャリアレッシャー」、「ディーゼルレッシャー」といったように、電車っぽい、実在するスタイルでいきましたが、やがて「ポリスレッシャー」(パトカー)や「ファイヤーレッシャー」(消防車)みたいに、バリエーション豊かなトッキュウレッシャーの展開になればいいな、と考えていました。
武部:だんだん、リアルな電車からオリジナルな列車に変化していったわけですか。
中野:実はオリジナルものの方が子供たちにはキャッチーだったようで、いい反応が出てきています。それもあって、発売中の『DXビルドダイオー』も期待ができるのではないかと。実際の車輛にはない、イマジネイティブな商品展開を今後はますます意識していきたいです。
大田原:さすが、イマジネーションのスーパー戦隊だ(笑)。
武部:『DXサファリガオー』がこちらにあるんですけれど、『サファリレッシャー』はちゃんと電車のスタイルなのに、合体すると動物のシルエットになるというのが面白いね。
中野:映画のメカをどのようにするか、何案か提案させてもらったんですが、結果的に東映さんサイドの総意として「ライオンがいいだろう」ということになりました。
宇都宮:電車が合体してライオンになるというのが、面白いかなって。