宇都宮:結局、『鎧武』には何人のライダーが出てくるんですか?

西澤:テレビだと12人だと思います。夏映画のマルスと冠(カムロ)、黒影・真を加えると、15人です。

武部:どうせやるなら、『仮面ライダー龍騎』(2002年)の13人を超えようと思ったんです。あと、平成ライダーの15作目だから15人出そうと(笑)

西澤:個体としては昨年の映画『MOVIE大合戦』には「武神鎧武」、春の『仮面ライダー大戦』には「フィフティーン」が出ましたので、全部で17人ということに(笑)。

武部:最初はすべて日本の戦国武将イメージだったんですけれど、数が増えてくると区別がつかなくなる恐れがあるというので、じゃあ洋風と中華風の鎧も入れましょうという話が、ギリギリに決まりました。和風甲冑のみという"縛り"を緩めたことによって、デザインが一気に進んでいきました。

西澤:それから、洋風甲冑のバロン、中国風の龍玄が出てきて、一気にデザインがバラエティ豊かになると。

仮面ライダーとスーパー戦隊、玩具開発でともに影響を与え合う

――鎧武でいうといわゆる1号ベルト『DX戦極ドライバー』、トッキュウジャーでいうと1号ロボの『DXトッキュウオー』と、最初に発売されたメイン商品がそれぞれあります。どちらもその後、次々に新アイテム、新ロボが出てくるわけですが、1号ベルト、1号ロボもまた、2号ベルトや2号ロボなどと合体させながら放映の最後まで遊ぶことができる、非常にプレイバリューの高い商品になっています。この「メイン商品を最後まで使い続ける」という方針についてはどうでしょう?

西澤:今回、ライダーの変身ベルトとしては初の試みとなる「ベルト合体」があります。『DX戦極ドライバー』に『DXゲネシスドライバー』のパーツを組み合わせて、「ジンバーアームズ」の音声を発するギミックを仕掛けています。この発想には、『スーパー戦隊』の方法論を意識したところがあります。

中野:スーパー戦隊のロボは、1号ロボを"核"にして、他のロボやメカが合体していくというギミックが、年間を通して目玉になっています。1号ロボがあれば、1年間のテレビ進行に合わせて楽しめるという考えです。でも、それは仮面ライダーの変身ベルトを参考にしている部分も大きいですよ。

武部:お互いに刺激を受けつつ、参考にするところはちゃんとされているんですね。

中野:1号ロボがあれば、1年間ずっと子どもたちが楽しんでくれる、ということを購入してくださる親御さんたちにわかっていただける信頼関係ができたと思います。ですから毎シリーズの1号ロボには思い入れがあるというか、1年間ずっと販売していきたいという強い思いがあります。

西澤:次から次へと新しいアイテムやロボが出てくるだけじゃなく、最初に買ったものを最後まで長く遊んでもらいたいという願いですね。

武部:2号、3号ロボが出てきても、烈車の形態になったら連結するんですか?

宇都宮:つながりますよ! でも、途方もなく長くなりますから、広いお部屋で遊んでもらわないと(笑)。

一同:(爆笑)

武部:私がおもちゃ売り場で見た子どもたちは、ひたすら『トッキュウレッシャー』をつけたり、外したりを繰り返していました。それを見て、今回の『DXトッキュウオー』は合体の仕組みが簡単だから、子どもたちが扱いやすい、手遊びにも似た感覚があるのかなって思ったんです。

中野:おっしゃるとおりです。合体、分離の仕組みを簡単にしたことにより、今までスーパー戦隊のロボで遊んでいた年齢だけでなく、それよりやや下の3歳児くらいまでも入ってきてくれたんです。

大田原:全部つなげて遊ぶと壮観なんでしょうねえ。

後編へ続く

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