TBS系列の金曜ドラマ『大奥 ~誕生~[有功・家光篇]』が14日に最終回を迎え、その続編となる映画『大奥 ~永遠~ [右衛門佐・綱吉篇]』が22日にいよいよ公開される。史上最短のテレビドラマ&映画の連動プロジェクトを前に、主演の堺雅人が「有功」「右衛門佐」の一人二役を語った。

TBS金曜ドラマ「大奥~誕生[有功・家光篇] (C)TBS

映画『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』

2010年10月に劇場公開した映画『大奥』からはや2年。男女逆転の世界が、「連続ドラマ+映画」という壮大な続編プロジェクトとして帰ってきた。10月に放送をスタートしたドラマでは、三大将軍家光が女将軍になり変わった秘密と、時代のうねりに翻弄された男女の淡い恋が描かれ、同プロジェクトの最終章となる映画では、五代将軍綱吉の時代を舞台に、孤独な二人がたどり着いた永遠の愛が描かれる。

俳優・堺雅人は各作品において、白と黒ほども性格の違う右衛門佐と有功を演じ分けた。そのことについて堺は、「有功は曲線的、右衛門佐は直線的というイメージを持っていました」と語り、「有功はどちらかといえば女性的。まわりの状況を、矛盾を含めて全部受け入れていくキャラクター。一方の右衛門佐は、男性的で、非常にわかりやすい男です。成り上がりたい、いちばんいい女を抱きたいという真っ直ぐな欲求を持っている」と説明。加えて、「有功はとてもいい人のように見えて、実は心の奥に深い矛盾を抱えている。また、右衛門佐も一見利己的に見えるけれど、誰かを一途に想い続ける。白に見えて黒、黒に見えて白」と彼の中には確かなイメージができ上がっていたようだ。

右衛門佐を演じた堺雅人「僕という同一人物が演じることで、二人の違いや共通点がより鮮明になっていると思います」

また、役作りについては、「有功はまわりの大きな力をそのまま受け止めて行くキャラクターなので、僕も、撮影中はどちらかというと受け身で、目の前にあるものをそのまま受け入れるという意識だったような気がします」と振り返り、「ただ、最初のシーンが18歳というお話で、20歳若返らなければいけないと思い、ごぼう茶を飲んでいました(笑)。ちょうど本屋さんで"ごぼう茶を飲んだら二十歳若返る"という本を見つけたもので」と意外なエピソードを披露。ただ、台本には"15歳"と書いてあったようで、「いっぺんに心が折れました(笑)」と当時の心境を語った。

一方、右衛門佐の役作りについては、撮影が休みの日に観光を兼ねて京都を訪ね、「自分の血を将軍家に入れたいという気持ちと、徳川など滅びてしまえばいいという相反する気持ちがあったのではなんてことを考えました」と思いを馳せていたという。彼の役者人生において、そこまで下調べをして臨むことはなかったようで、その理由を「あまり調べすぎても、いかにも"勉強しました"って顔になっちゃうし」と言う堺。ただ、こと右衛門佐に限って言えば逆だったようで、「大きな存在に向かってグイグイと突き進む、そんな男なので、むしろ"ドヤ顔"が出てもいいかなと(笑)」と笑顔を見せた。

映画『大奥 ~永遠~ [右衛門佐・綱吉篇]』 12月22日(土)丸の内ピカデリー他全国ロードショー

(C)2012男女逆転『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』製作委員会