オウチーノ総研は、妊娠・出産や育児、保育から、介護、葬儀に至るライフステージおいて必要となる費用(ライフステージコスト)を、東京23区及び市部(全49自治体)ごとに調査した。この調査で、東京で一番ライフステージコストが安い自治体は「渋谷区」という結果が出た。

渋谷区での5つのライフステージコストのポイント

同総研は、ライフステージを「妊娠・出産」「育児・医療」「保育・教育」「住宅購入」「老後」の大きく5つに分け、東京23区及び市部(全49自治体)におけるライフステージコストを調査した。その結果、「ライフステージコストの安い街ランキング」の第1位は「渋谷区」に。

特に「保育・教育」ポイントが10.00と圧倒的に高く、その主な要因は「保育料」の安さだという。「共働き夫婦+子供2人(世帯年収800万円)」の標準家庭を想定して保育料を算出すると、最も保育料の高い自治体と「渋谷区」を比較した場合、最大で月額約3万円もの差が発生。入園から卒園までトータルで考えると、他の自治体と比べて相当コストが抑えられる。また同区は、「妊娠・出産」ポイントでも「渋谷区」は東京都の全自治体中第3位。その要因の一つとして、東京都ではまだ希少な「出産費用の助成(8万円/人)」を行っていることが挙げられる。

「ライフステージコストの安い街ランキング」第2位の「港区」は、「妊娠・出産」ポイントで東京都の全自治体中第1位。「出産費用の助成額」が他と比べて大きい点と、それが第1子から受け取れる点が、高いポイントにつながっていると同総研はみている。3位の「台東区」は「住宅購入」において、高ポイントを獲得。区内に住宅を購入した人を対象に支援金を交付する「マイホーム取得支援制度」が評価された形となっている。

第1位の「渋谷区」と、最下位の「三鷹市」の生涯ライフステージコストでは「共働き夫婦+子供2人(世帯年収800万円)」の標準家庭を想定して試算してみると、両自治体の間には86万円の差が生じることがわかった。今後は、住まいを選ぶ際に「立地」だけでなく、ライフステージコストを想定した視点を加えることで、有益な住まい探しができるのではないかと同総研はみている。

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