――今年の6月21日には、いよいよ、映画最新作『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』が公開されますね。
「インディ・ジョーンズが帰ってくるということで、弊社のARTFXシリーズとして、手がけさせていただいております」
――それが、こちらのフィギュアなんですね。よく似ていますね。
ARTFXシリーズのインディ・ジョーンズ |
同じく、ヘンリー・ジョーンズ |
「弊社ではこれまでやったことがなかったんですけれども、今、フィギュア業界では、俳優さんのスキャンデータから立体を起こすということが行われています」
――そのスキャンというのは……。
「機械で俳優さんの顔に光を当ててスキャンすることにより、その凹凸の情報を読み取り、データ化するというものです」
――それをご利用なさった?
「弊社ではこれまで手作りで造型をやってきたわけなんですけれども、この『インディ・ジョーンズ』で、初めてスキャンデータを使って商品化してみようということになりました」
――これまでに公開されたシリーズの中からモチーフを持ってきたとすると、今のハリソン・フォードの顔をそのまま使うわけにはいきませんね。
「当然、『インディ・ジョーンズ』シリーズが製作されたのが1980年代のことですから、その時点では、スキャンの技術はないわけです」
――それで、どうなさったんですか?
「今のハリソン・フォードの顔をスキャンしたデータをいただいて、それに弊社の方で手を加えて若い時の顔に変えています」
――なんか、警察の鑑識係のお仕事みたいですね(笑)。
「そうかもしれませんね(笑)」
――これも、必ずしも劇中の一場面をそのまま再現したものというわけではないんですね。
「もちろん、特定のシーンを想い起こすことのできるような要素は盛り込んでいるのですが、日本人独特のセンスといいますか、歌舞伎でいうキメのポーズのようなことをいつも意識しています」
――インディのムチも生き生きとしていますが……(笑)。
「実際、これは商品化の際には、自由に動きがつけられるように中に針金を通したり、そういう遊びの部分も盛り込んでいます。帽子が着脱できるとか、ムチを拳銃に持ち替えたりできるとか。ヘンリー・ジョーンズのほうは、閉じた傘と開いた傘を持ち替えられるようにもなっています(笑)」
ムチの変形、拳銃への持ち替え、帽子の着脱などのバリエーションが楽しめる |
――やはり、ヘンリー・ジョーンズのフィギュアもスキャンデータを利用しているんですか?
「実は、ショーン・コネリーがすでに俳優を引退してしまっているため、データを取ることはできません。したがって、こちらのほうはコトブキヤの造型の技術をフルに活用して作り起こしています」
――こちらの発売の時期は、いつごろになりますか?
「映画公開前の5月に発売する予定です。全国の『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』の上映館でもお買い求めいただけます」
――劇場で購入できるんですか?
「ええ。映画を観終わった感動をそのままフィギュアの形で家に持ち帰っていただければ、と思います」