――その現場で、お客様から、「今度は、こういうのを作ってほしい」といった声が寄せられることもありますか?

「お客様の声をじかにお聞きすることができるのは、非常に貴重な機会です」

――そういった声が商品開発に反映されることもありますか?

「アンケートにお答えいただいて、プラモデルの『人気メカコンテスト』といった形で、次回に出す商品を検討する際の参考にさせていただいております」

――社内で稟議を通すためには、なぜ今、この商品をウチがやらなくちゃいけないのかを説明しなくてはならないわけですね。

「そこが一番苦労するところですね(笑)。例えば、『インディ・ジョーンズ』の場合であれば、映画公開時にはどのくらいの興行収入があったのか、とかいったことを調べたうえで商品化するといった形になります」

営業部の山下さんは、販路先やお客との交流が新たな企画を生むと語った

――山下さんは営業のお立場から、今回ご紹介したような商品についてはいかがですか?

「映画作品の場合はなにより知名度が高いので、新規の開拓をする場合には大変役立ちますね。お客様と共通の話題で盛り上がることもあり、営業としては楽しく仕事ができる商品でもありますね」

――販路を新規に開拓なさったりもするわけですか?

「ええ。飛び込みの営業をするときに、まずこういったメジャーな商品を持ち出しますと、結構お話を聞いていただけることが多いですね」

――営業なさっている間にお聞きになった声を商品に反映するといったこともあるわけですか?

「そうですね。今予定しているもので申しますと、ジオラマっぽい商品を予定しているのですが、こういったものはお客様のお声を元にした商品ですね。フィギュア自体のサイズはもっと小さくていいから、情景込みでまるごと立体化した商品が欲しいんだけれども、といったご意見をいただいて企画した商品ですね」

――従来、オモチャというと、いじって遊ぶというイメージがありましたが、最近、各メーカーさんから飾って見て楽しむといったタイプのものが出てきつつあるように思いますが……。

「こういったリアルなキャラクター・フィギュアは、観賞用として見ていただいたほうがより楽しめるように思います。ある種のインテリアのような……」

――観賞用の商品とした場合に、劇中のある特定のシーンをそのまま再現したもののほうがお客にわかりやすいという気がするのですが……。

「フィギュアをもとに、お客様ご自身が想像力を発揮して楽しんでいただける余地をあえて残すよう心がけて作っています」

――映画を1次著作物としたときに、それを解釈して立体造形物をクリエイトする作業ということにもなるんでしょうか?

「その点が日本のメーカーにできる強みとも考えております」

――今後の商品展開に期待いたしております。どうもありがとうございました。