――岩崎さんは、企画部におられるわけですが、企画・開発・製造・流通・宣伝という一連の流れの中で、最も上流のプロセスを担当してらっしゃるわけですね。

「まず、市場調査を行って企画を立てます。その企画ができた時点で版権元様にお話を持ち込みます」

――その版権元さんが『スター・ウォーズ』の場合には、ルーカス・ライセンシングさんになるわけですか?

「実際には、国内にある同社の代理店様とお話しをさせていただいて、最終的にルーカス・ライセンシングさんのご許可をいただく、という流れになります」

――代理店さんから、企画内容について注文がつくこともあるんですか?

「そうですね。代理店様は国内でのマネージメントをしておられるわけなので、自社でお考えになってらっしゃるプランというものも、おありになるわけです。そういった点で、弊社との間でご相談させていただいております」

企画部の岩崎さんは、交渉の窓口役として活躍。企画用のイラストを描いたりと多彩な一面を持つ

――それは、商品のラインナップであったり……。

「ポージングなどにも及びますね」

――岩崎さんは、企画の初めに、ご自身でデザイン画をお描きになられるとか……。

「そうですね。最初は、わたしがイラストを描きます(笑)」

――その段階では、岩崎さんの好みやご興味が反映されるんですか(笑)?

「ないと言ってしまえば嘘になるんですが(笑)、やはりお客様に求められているモチーフやポージングなどに沿ってデザインを進めていきます」

――デザイン画の段階で、版権元さんに承諾を得るわけですね。

「はい。その承諾を得た段階で、やっと原型師さんに発注します」

――原型師さんの人選は、もっぱらメカをおやりになる方とか、キャラクターをおやりになる方とかいったふうに分かれますか?

「ええ。さらに、同じキャラクターでも、こういったリアルタッチのものが得意な方と、いわゆる萌えキャラが得意な方が、それぞれにいらっしゃいます」

――その企画の段階で、山下さんは営業のお立場から後で売る時のことを考えて、発言なさることもあるんでしょうか(笑)?

「実はですね、最初のイラストの段階でも営業のほうではお客様、すなわち問屋様や小売店様のご意見をうかがって、営業の立場から企画のほうにフィードバックして商品に反映させるということもやっております」

――コトブキヤさんは、いわゆる一般の問屋さんに卸したり、また直営店での販売もなさっておられますが、イベントに商品を持ち込んで販売なさることもありますか?

「ワンダーフェスティバルなどで、会場限定品という形で販売することがあります」

――岩崎さんもイベントには、おいでになるんですか?

「毎回顔を出させていただいてます」

――イベント販売がほかと異なる点は、お客様のリアクションが生で分かることですよね。

「お客様もイベント特有の雰囲気の中で、購買意欲をそそられていらっしゃる感じが伝わってきますね(笑)」

――こういうリアルタッチのフィギュアを買い求めになる客層って、どのような層なんですか?

「ご家族連れのお客様のお父さん方が買い求めていかれるケースが多かったりしますね」

――お父さん世代の若い頃の作品がモチーフでもありますし……。

「『懐かしいなあ』というお声を、現場では聞くことがありますね」