投資信託は、投資対象も投資方針もさまざま。たくさんのタイプがあるということは、自分に合ったタイプを選びやすいということでもあります。ただ特に最初の1本を選ぶときには、どんなポイントで選べばよいのか悩みますよね。上手に選ぶためには3つのポイントをチェックする必要があります。

一つ目は「どこに」投資するのかということ。海外もヨーロッパ地域、南アメリカ地域などの大きなエリアからBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)、資源国(オーストラリア、カナダ、南アフリカなど)、アラブ(中東の産油国)など特定の複数国、インド、中国など単独の国と投資対象はさまざま。投資地域が広いほど分散効果が効き、リスクが軽減されます。

二つ目は「何に」投資するのか。株式や債券、通貨、最近では不動産、コモディティ(商品)などもあります。

そして三つ目が「どうやって」投資するのか。ファンドマネージャーなどの運用者が投資する銘柄などを選ぶ「アクティブ型」と機械的に銘柄選択される「インデックス型」に分かれます。

インデックス型は日経平均などの指数に連動する値動きを目指すもので、例えば日経平均が5%上がれば、日経平均のインデックス型投資も5%あがるように設計されています。

そう考えると最初の1本は身近で値動きのわかる日本株インデックス型投資を買うのもおススメ。高い収益は期待できないかもしれませんが、テレビや新聞をみれば毎月の値動きがわかり、所有している実感値がわきます。毎月1万円など積み立てれば、ドル・コスト平均法で安いときにたくさん買えて、値上がりしたとき大きく増やすこともできます。日経平均株価は東証1部という大手企業が上場している市場のなかでの選りすぐりの225社の株価の動きを反映しているもの。つまり日本の代表的な企業全体に投資することにもなりますので、わかりやすいということもあります。

もし、日本株はちょっと……という場合は、世界の主要22カ国に投資しているMSCI海外株式インデックス型投信を購入するのもひとつの手。これは、日本を含む、米国、ヨーロッパなどの主要国の株価全体に連動します。いわば、世界全体の株式を買うようなもの。この場合、テレビや新聞で指数をすぐにチェックできるという気軽さはありませんが、どこかに国が悪くとも、どこかの国がよくて、常に一定のパフォーマンスを保つと予想されます。

心配なら、日本株インデックスと外国株インデックスの両方を購入してみるのも、安全策かもしれません。

次ページでは幅広いラインナップだから自分が保有していない資産を補完するタイプについて解説します。