お風呂場で生まれた曲「地球ぎ」は曲も歌詞もあっという間に書いたものでした。1番のメロディの長さは、一緒に曲を創ってくれたUちゃんがデモオケを作るときに2倍の長さにしてしまい、その場で短くするのも時間がかかる……ということで、なんと歌うその場で私が歌詞を付け足して歌ったものが、今現在の曲・歌詞になっています。そんなアバウトな始まりでしたが、なによりも自分自身に言い聞かせるように書いていたんだなぁと、時間が経って改めて感じています。

「歌っていくか、どうするか」

歌詞の中にもあります。

「あきらめることを話すよりも、出来ることを数えるほうがいいよね。つまずくことあって、振り返りそうになって、それでもそれでも もう決めたんだ」

そう。もう決めたんだから、歌う! のです。とは言ってもリリース予定もありませんから、聴いてもらえる場所もありません。そんなとき、この曲が『聖闘士星矢』の主題歌に決まる前、一度だけ歌える機会がやってきます。あるアーティストが体調不良で急遽、渋谷AXのライブイベントに出られなくなった、ステージ時間10分ぐらいあるけど、出るか? というものでした。

そのお話が来たのが確か前日とかだったと思います。その出られなくなったアーティストは友達でもあったので、プロデューサーは私がまず心配するんじゃないかと思ったそうです。いや、もちろん私も心配はしていました☆ でも私が言った一言は、

「ありがとうございます! 歌わせてください!!」

ピンチヒッターであろうが、突然であろうが、歌える機会があるなら歌わせてほしい。そんな気持ちでした。当日は、緊張と誰も知らないリリースもされていない歌を歌うわけですから、みんな「シーン」としたものでした。確かそのときのライブイベントは、そのときにすでにいい感じで売れているアーティストの方々が集まるイベントだったんじゃないかなと思います。

それでもまず人前で歌って聴いてもらえる機会があることが大事だから、と思っていました。それから次に歌う機会はまったくないわけですが、それでも曲を作り続ける。そんなある日、曲のコンペのお話がやってきます。『聖闘士星矢』の主題歌コンペ(曲のオーディションですね)です。うちの事務所からも何人も何十曲という曲が提出され、その中には有名なプロデューサーの楽曲も含まれていました。私も数曲提出。その中に「地球ぎ」や「君と同じ青空」が入っていました。ところが後日、事務所の社長からなにやら怒り気味に電話が。

「なんであんな曲を選んでコンペ出すんだ! 選ばれるはずがないじゃないか!」

そうなんです。社長は今までの『聖闘士星矢』の曲とはまったくかけ離れた私の楽曲は、イメージに合わないと思ったんでしょうね。私も全然違うと思っていました(笑)。でもそのときに思ったのは、今までの「ペガサス幻想」や星矢の主題歌は完璧なほどぴったりで、少年の純粋さや、勢いさ、強さみたいなものを感じていましたので、そのままそのような感じで真正面から行っても、今ある楽曲を超えられないなと。私にできる、歌えるところはどんなところだろうと考えたとき、星矢たちの負けない強さとはまた違った角度から見たいなと。

続編の星矢には、それだけじゃない、強いけど、強くなくちゃいけないけれど、人間だもの弱いときもある。だけどその弱さからの強さ、あきらめない強さがあれば変わっていくんだ。誰にでもあるもの、星矢も決して強い聖衣を持っているわけではないけれど、その思いが強くしてくれるんだということが私の中の思いと重なり、「地球ぎ」が候補として提出されました。

ところが、最初に決まったのは「地球ぎ」ではありませんでした。主題歌の候補は私だけでもありませんでした。さて、どんなふうに決まっていくのでしょうか。また次週、ゆっくりお話したいなと思います。
See you soon love xx.

27日のライブ後の私と、ハワイからやってきたララちゃん♪