おっはモーニング。酒村です。またまた大寒波到来なんかで、雪やら寒さやらに困らせられる日々が続いている。寒いと外にも出たくなくなるし、何にもしたくなくなる。4畳半の部屋にポツンと置いてあるコタツから抜け出せず1日の大半をここで過ごす日々。

歩くという行動を数日間ほとんどせずにいると、流石に人間失格なのではという焦りに駆られる。そんな時は、コンビニに行って好きなものを買いに行こうと自分自身を釣ることで二足歩行を試みる。

部屋着のままふらりとコンビニに入り、真っ先に鉢合わせるのがカップ麺コーナー。「新作、出てるかな」と棚をぐるりと見渡す。すると、黄と黒の容器に雄々しく「信玄」と書かれたカップラーメンの新製品を発見した。

信玄といえば、山梨の信玄餅くらいしか思い浮かばないが、その名前の独特さに目が止まり、何の躊躇もなくカゴに放り込んだ。山梨へ旅に出たときに信玄餅の工場に行きたかったのだが、辿り着いたら閉館だったあの何とも言えず、遣る瀬無い気持ちになった時のことを思い出してしまったよ。

パッケージをよく読んでみると、札幌の人気ラーメン店「信玄」の監修による、「なまらまろやかコクみそ味」のカップ麺らしい。「なまら」とは北海道弁で「とても」という意味なんだそう。札幌といえば味噌ラーメンが王道ではあるが、その味が気になるところだ。

蓋を開けると、今までに感じたことのない香ばしい、初めての香りが漂ってくる。おそらく味噌ベースのスープの粉末であろう。液体スープになるのが楽しみになってきた。お湯を注いで5分後、蓋を開けると、食欲をそそられる味噌のマイルドな香りが顔面を覆いつくす。

「今すぐにでも食べたい!」という気持ちに駆られるが、早まってはいけない。別袋の特製油を注いでいく。特製油を注ぐと、私の大好きな香りが鼻をかすめた。そう、これはニンニクの香りに違いない。

麺を食べるより先に、触れたくなるような温かみのある肌色に輝くスープを飲み込んでいく。芳醇な味噌スープ、おいしーー! 普通の味噌と違って、飲んだ後ののど越しがとってもいい。ビール以外にも、のど越しって存在するんだ。この味噌スープはもはや飲み物として販売できるのではないだろうか。

味噌スープの美味しさに後押しされて、麺もすすっていく。ずるぽずるぽ。まろやかスープに合うコシのある麺、おいじーーー!! いい塩梅の味噌スープが麺と絡まり、お腹を優しく満たしてくれる。

味噌のスープが味噌とは思えないくらいに飲みやすいので、スープがみるみるうちに減っていく。一気に飲み干してしまうのは勿体ないと思い、少しずつ味わいながら、ごくりんごりんと残りのスープを飲んだ。結局、全部飲んでしまったよ。コタツで幸せなひと時を過ごし、冬眠に入る。

ラーメン、これまた私を太らせるというのか。それでもやめられないんだよなぁ……。いつ何処で食べても堪らなく旨い。そんなラーメン街道まっしぐらな私の備忘録。

約1年間、毎週色んなラーメンを食べ続ける酒村を温かく見守ってくださった読者の皆様には感謝を忘れない。今日でこの連載は幕を閉じるが、おいしーーー! を届けるべく文字を刻み続けていくので、これからも温かくラーメンのスープのように見守ってもらえると嬉しい。おしまい。