「旨くて、安いラーメンが食べたい」。1杯1,000円を超える高級ラーメンも多いが、手軽で・旨くて・さらに安くラーメンが食べられるのなら最高だ。全国47都道府県のラーメンを食べ歩くラーメンライター・井手隊長が、旨くて安いアンダー700円のラーメンを紹介する。

今回は、東京・芦花公園「成城青果」だ。

  • 東京・芦花公園「成城青果」


京王線芦花公園駅から徒歩2分。千歳通り沿いに昨年6月にオープンした「中華そば 成城青果」。落ち着いた和風の外観で、やきとん屋が業態変更してオープンした。

ビシッと締まった清潔感のある店内で、高級感もあり、およそアンダー700円のお店とは思えない。人気メニューは「塩そば」。なんとこれが650円。

平ザルで麺を上げ、自然な湯切りの後、ザルの上で麺線を整えながらスープに入れる。なんと丁寧な仕事。そして目の行き届いた接客も見事だ。

具はチャーシュー、メンマ、三つ葉、白髪ネギ。麺は細めストレートで、麺線が綺麗に出るように長めに切り出している。スープは鰹節、昆布、煮干などで動物系は不使用。香味油が多めでかなりアツアツに仕上がっている。スープの温度は90℃を越えているという。

魚介の旨味がじわじわと口の中で広がり、大変上品な美味しさだ。

塩ダレには高級日本酒を加え、口あたりがマイルドで柔らかく、全体のバランスがとても良い。オリジナルの香味油には煮干油を中心に、数種類の油をブレンドし、複雑な余韻を演出している。

そして、太めのメンマが特徴的でアクセントに。卓上のペッパーをかけると味が締まってまた美味しい。

かなりシンプルな仕上がりだが、磨き上げて仕上げた一杯だということが伝わってくる。ぜひお試しいただきたい。