「旨くて、安いラーメンが食べたい」。1杯1,000円を超える高級ラーメンも多いが、手軽で・旨くて・さらに安くラーメンが食べられるのなら最高だ。全国47都道府県のラーメンを食べ歩くラーメンライター・井手隊長が、旨くて安いアンダー700円のラーメンを紹介する。

今回は、東京・神保町の「伊峡」だ。

  • 東京・神保町の「伊峡」


東京・神保町。

サラリーマンや学生が多い街で、リーズナブルなメニューを展開する飲食店が多い街だ。老舗が残っていることも特徴で、「町中華」も数多くある。

特にラーメンと半チャーハンがセットになった「半チャンラーメン」の聖地と言われ、「さぶちゃん」(閉店)「伊峡」「成光」の3店舗は「神保町半チャンラーメン御三家」(これに「たいよう軒」を加えて「四天王」と呼ぶこともある)と呼ばれる有名店だ。

元祖の店として知られる「さぶちゃん」は2017年に閉店したが、「伊峡」「成光」は今も元気に営業している。

今回は「伊峡」をご紹介したい。

1966年のオープン以来、神保町の街を支えてきたが店舗の老朽化のため、2019年4月に一度閉店。同じ神保町で同年6月に移転オープンしている。

以前の昭和の空気の残ったお店もよかったが、新しいお店も赤い暖簾やテーブルは昭和の雰囲気。ラーメンの美味しさもそのままだ。

ラーメンは450円、半チャンラーメンも650円とこのエリアの中でもかなりリーズナブルなお店。

半チャンラーメンはたくさんの記事で紹介されているので、今回はチャーシュー麺をご紹介する。

麺を大きな中華鍋の中で泳がせ、平ザルで器用にあげている。

スープに麺を浮かべたら、5枚のチャーシューがどんぶりを沿うように綺麗に並べられる。歯ごたえがしっかりで肉の味がちゃんと感じられるチャーシューだ。

醤油スープはじんわりと懐かしく柔らかな味わい。中太のちぢれ麺がスープを程よく持ち上げる。 このチャーシュー麺がなんと600円で食べられるのだから驚きだ。

移転して新しい店舗で走り始めたのはまだまだここで頑張りたいという証拠。昭和の味がそのまま食べられるのは令和のこの時代、とても嬉しいことだ。

お腹に余裕があれば半チャーハンもぜひ味わってほしい。