――『秘密のママ園』は元テレビ東京の高橋弘樹さん、またシーズン4まで続く『愛のハイエナ』は元日本テレビの橋本和明さんと、地上波出身の一線級のクリエイターが手がけていますね。
高橋さんは『家、ついて行ってイイですか?』を立ち上げた方なのでドキュメンタリーに強いですし、経済的な部分の知見と知識も非常に高いので、そこから出てくる発想の幅の広さを感じます。『世界の果てに、ひろゆき置いてきた』ではご自身で全シーズン編集をされていて、誰も見たことのない画を自分で作り上げたいというストイックさもすごいです。
橋本さんは、数字を科学しながら、それをエンタメに落とし込む天才だと思います。普通は何か企画を考えて、数字の結果を振り返って次に生かすという制作の流れだと思うんですけど、橋本さんの場合はまず当たった企画の数字を分解して、そこからヒントを得て、ディレクター陣の皆さんや作家の皆さんと一気に企画に仕上げるというのをやっているんです。
こうした方々のそばで働かせていただけるのはすごく幸せだなと思いますし、地上波の第一線のクリエイターの皆さんに遊んでもらえるような場所を作れていることは自分としても非常にうれしいので、この場を守り続けなければいけないなと思います。
――テレビ出身のクリエイターの参加は、これからもっと増やしていきたい考えでしょうか。
もっと「ABEMAでやりたいな」と思っていただける状態にしていきたいですね。今、若年層向けに絞ってバラエティを発出できるのは、うちだけかもしれない。そういったやりがいのような定性的な部分や、費用面・人材面などの制作環境という部分でも、クリエイターの皆さまに選んでいただけるメディアになりたいと思っています。
――サイバーエージェントとしては、ABEMAを含む「メディア&IP事業」が黒字を計上するようになりました。制作費の増強も考えられていますか?
より多くの皆さまにABEMAに来ていただけるように、バラエティとして役割を果たしていきたいと思っています。幸いにも、多くのクライアント様にご出稿も頂いていたり、ABEMAプレミアムに登録いただけるようなコンテンツが増えていたりするので、今後も番組制作をより強化していけるよう頑張っていきたいと思います。
“日本一”に向けて「挑戦権は得られている」
――「ABEMAのバラエティ」としては、どのような方針を掲げているのでしょうか。
諸先輩方がいらっしゃる中、大変恐縮なのですが、「日本一バラエティを面白くやってんぞ!」というのは、絶対目指したいと思っています。他プラットフォームや地上波と比べて、無料の配信プラットフォームである強みと、そこに対して投資する気概があること、そしてマーケティングのノウハウ、たくさん集まってきてくださったクリエイターたちの数というのを考えると、その挑戦権は得られているのではないかなと。
「日本一」と言うからにはいろんなものを超えなきゃいけないのですが、「淀みなくバラエティが拡張してるね」と思われるABEMAでありたい。この夏は過去最高数の新作をどんどん出していきましたし、再生数の規模としても最高を更新しそうな自信があるので、それを繰り返し続けて、来年迎えるABEMA10周年の時に「ABEMAってバラエティがすごいから見たいね」という状態になれるように、しっかりやっていきたいと思います。
――バラエティにおいて「日本一」を目指すにあたり、これまでも多種多彩なバラエティを作ってきたと思うのですが、さらに拡大させるにあたってどんなジャンルを想定していますか?
ABEMAの中でまだ確立できていないのが、スタジオトークバラエティと、恋愛リアリティーショーが好きな高校生や大学生が見るバラエティだと思っています。なので、地上波の皆様方が作った歴史をちゃんと勉強させていただきながら、令和版のスタジオバラエティであったり、若年層の皆さんが見てくれるようなバラエティに挑戦し続けて、明日学校で語られる番組を作りたいですね。
8月30日からは、霜降り明星・粗品さんのABEMAレギュラー番組初MC『ドーピングトーキング』(毎週土曜22:00~)もスタートしました。この番組は、「日常では絶対に行くことがない場所」や「絶対に交わらない人」のもとへ向かい、刺激的でスリリングな体験をしてきた芸人たち総勢40人超が、ユーモアを交えつつ珠玉のエピソードトークを披露するトークバラエティ番組なのですが、初回放送から視聴者の皆さまから好評の声を頂いています。
――コンテンツを増やしていくとなると、スタジオも増やしていくことになるのでしょうか。
基本的にはクリエイターの皆さんが「この表現をしたい」という場所で撮れたらいいと思っている中で、これまではロケものが多かったのですが、今後はスタジオバラエティも増やしていく予定なので考えていきたいですね。


