――バラエティ以外でも、大きな話題を集めた「FIFA ワールドカップ カタール 2022」にも携わられたと伺いました。
「ゼネラルマネージャー」に就任いただいた本田圭佑さんの担当プロデューサーとして、ずっとカタールで同行させてもらいました。同行にあたり何十回も打ち合わせを重ねて、事前のプロモーション稼働に始まり宿泊するホテルの動線のチェックまで、本田さんが役割に徹することができるよう尽力しました。
本番は、実況の寺川(俊平テレビ朝日アナウンサー)さんと現地解説の槙野(智章)さんが僕と同期(87年生まれ)で、本田さん(86年生まれ)の脇を1個下勢の3人が固めて臨みました。結果として、本田さんの素が垣間見える解説がウケて、日本の皆さんが見たいものになってくれたのかなと思っています。
――本田さんの解説があそこまでバズるというのは、事前に打ち合わせなどをする中で、ある程度想定はされていたのですか?
本田さんのキャラクターが前面に出てくるだろうなとは想定していましたが、バズるというより、いわゆるスポーツの専門の方々に「こんな解説あるか!」と怒られる恐怖心のほうが大きかったです(笑)。うまくいくかどうか分からなすぎて、キックオフまでご飯が食べられないくらい緊張していました。
試合が始まってしまうとスタジアムの解説席の中にいるので、外で何が起きているか全く分からなかったのですが、ハーフタイムの時に日本から「やばい、めっちゃバズってる!」「めっちゃいい!」と携帯が鳴り止まなくて、「これでいいんだ!」「さすが本田さん、ありがとうございます!」という感じでした。それで日本が勝ったので、先ほど言った生放送の緊張感と解放感がすごくて、終わった後は本当に泣けてきたという気持ちでした。
職人たちが秘密基地でお笑いに打ち込む『チャンスの時間』
――ABEMAのバラエティ全般を担当する第二制作局長とバラエティ部長を務められていますが、ABEMAのバラエティにとって、やはりレギュラー番組の『チャンスの時間』の存在は大きいでしょうか。
そうですね。もう9年ぐらいやらせていただいている番組で、すごくありがたいことに千鳥さんがどんどん売れていくタイミングに、我々がいい意味で食らいついていけた感じです。なので、お互いにとって揺るぎない秘密基地のような感じになっていて、現場で携わる皆さんには職人としてのプライドを持っていただきながら、ずっとお笑いをやってる感覚ですね。
――職人と言えば、シオプロの百戦錬磨のスタッフさんたちが集結されているイメージです。
はい。だから僕が企画に対して意見することはほぼないです。テレビ朝日から出向しているGP(ゼネラルプロデューサー)の宮本(博行)やシオプロの皆さんが、このままもう10年、本気で笑いを作り続けられる場所を提供することに徹しています。
――皆さん地上波の番組も制作されている中で、ABEMAではどのようなコンディションで臨んでいるのでしょうか。
「伸び伸びとふざけていい」と思っていただけているのがすごく幸いなことですね。例えば、ABEMAはいわゆる地上波的編成に縛られていないがゆえに、番組尺など調整しやすい部分も多いんです。ベースとして「まず面白いものを作って数字をとろう」という意識が先行して、その後にマネタイズという思考があります。
――『チャンスの時間』を見ていると、オープニングのアイドリングトークをゆったり取っているという印象があります。すぐ本題に入る地上波と対象的です。
地上波的編成の概念がないのと同じく、尺も自分たちでジャストフィットを見つけられるのが強みだと思っています。1時間やってもいいし、30分でもいい。今年始まった『秘密のママ園』は、スタジオのママたちがいっぱい雑談できるように約1時間半で作っていましたが、尺の自由をクリエイターに渡せるのも強みだと思っています。
――ABEMAのほとんどのバラエティはシリーズ制ですが、『チャンスの時間』はずっと毎週レギュラー編成ですよね。
基本的にはシリーズ制で、一度ちゃんと振り返って、次に向けてもう1回全力で当てにいくというのを、期間を置いてやるというのが王道かなと思っています。『チャンスの時間』は、毎週企画を考え続けられる天才的なチームで、千鳥さんと一緒に毎週やるという決心ができている番組なので、結構まれです(笑)
