――今年から菊池風磨さん(Sexy Zone)と向井康二さん(Snow Man)が「ドキリクリエイター」としてレギュラーに加入しましたが、毎度のように引っ掛けられているという…。

結局、引っ掛けられるほうが面白いということに、我々が気づいてしまって。あの2人は素直だし、リアクションもいいし、特に向井くんはビビリで、百発百中に近い確率でビビってくれるので、まだまだクリエイターはやらせられないですね(笑)

――菊池さんの引っかかったときの「許せない!!」というフレーズはいいですよね。

あれは名言ですね。そろそろ第2弾の名言が出るんじゃないかと思って、まだまだ追い込んでいきたいと思います。たまにクリエイターをやってもらって、でも結局は引っ掛けるという手法でいきたいと思います。

――いろんな“ドッキリスター”も生まれていますが、特にこの人はいいなという方は誰ですか?

やっぱりワタリ(119)くんですね。中川さんが見つけてきたんですけど、彼は驚き方が尋常じゃなくて、とにかくお化け系が嫌いなんですよ。だから、そこに追い込んだら本当に我々の想像超えるリアクションをしてくれるので、まだまだ離さないぞっていう感じです。

■地上波はもっと感覚的になっていい

――今後こういう作品を作っていきたいという構想はありますか?

制作会社の人間ということで、あまりテレビだけに縛られる感覚がないので、配信もやりたいですし、PVやドラマ、映画…タクシーや電車で流れる映像も含めて、音を消していても伝わる面白い映像作品を作りたいですね。ナレーションを使わない画で直感的に進行していく作品だと、言葉が分からない海外でも伝わる。弊社もそういう意識で、YouTubeだけでなく、いろいろ広げています。

――YouTubeやネット配信が盛り上がってきている中で、テレビの役割というのはどう捉えていますか?

今の世代にとって、テレビ=映像ハードだと思うんです。リモコン押せば「Netflix」「Amazonプライム・ビデオ」「YouTube」…とあって、その1つのチャンネルが「テレビ」なので、単純に「選ばれるソフト」を作ること、だと思っています。

――中村さんご自身も、GYAO!で『完全車内同棲 LOVEドライブ』という配信の番組を制作されていますが、テレビとの違いを感じたのはどんな部分ですか?

カップルを車の中に閉じ込めて絶対降りちゃいけないというルールで、お風呂も入れないしご飯も誰かに頼むしかないという“車内サバイバル”の番組なんですが、やっぱり時間尺の違いは大きいですね。15分でもいいし、25分でもいいというところで「面白い時間」でできるので、より感覚的に作れるなと思いました。

だから、「番組は1時間」っていう基本ルールはどうなんだろう?と考え始めています。地上波1時間番組はCMを抜くと48分くらいなのですが、編集して面白い放送尺ってそれぞれ42分かもしれないし63分かもしれない。面白いものを短く編集しなければいけなかったり、足りない尺を「この後衝撃なことが!」「予想だにしない展開が!」みたいに煽って埋めて引っ張ったり…なんていうのはもう古いし照れ臭いし、視聴者も気付いているしな、と。配信の番組は、面白いと思ったことだけをバンバンと出していけるという楽しさがありました。

――その感覚を地上波にもう一度持ってこれると、面白くなりそうですよね。

地上波で「ここは要らないんじゃないか」とか「このナレーションは誰も聞いてないからいいよ」って思ったりする部分はありますからね。映像メディアですから、映像で伝わるものだけを出していけばいいんじゃないかというのが僕の中にはあるので、地上波ももっと感覚的になっていいんじゃないかと思います。

――ご自身が影響を受けた番組を1本挙げるとすると、何ですか?

1本には絞れないのですが…『夢で逢えたら』『ごっつええ感じ』『ガキの使い』『めちゃイ ケ』。どの番組も“文化”を生んでいるという点で好きですし、リスペクトしています。ヒットしたということもそうですけど、今のバラエティの根幹要素を生み、今の日本人の生活上にある「面白がる目線」「会話での言葉使い」などに大きな影響を与えていると思いますね。

――いろいろお話を聞かせていただき、ありがとうございました。最後に、気になっている“テレビ屋”をお伺いしたいのですが…

放送作家の高須光聖さん。『ドッキリGP』も一緒にやってるんですが、今挙げた影響を受けた番組を全部やってるんですよ。あと、活動の幅がテレビだけじゃなくて、そこの原動力はどこにあるのかというのをいつも聞きたいんですけど、会議でしか会わなくて、なかなか聞けていないので。

あと、「今後どこに進むんですか?」というのも聞きたいですね。あんなにすごい人なのに、僕ぐらいの人間でも相談事があると言ったら来てくれますし、すごく優しい人なんです。

  • 次回の“テレビ屋”は…
  • 放送作家・高須光聖氏