ちなみに前回の放送では、「VIPへのおもてなし 自国の兵士の勇敢さ」「ケニアの刑務所 犯罪者の更生の道」「危険な歩きスマホ 韓国の最新対策」「夫の不倫現場を目撃 妻の衝撃行動は?」などのテーマが扱われ、コメンテーターはヨシダナギとパックンが務めた。テーマとコメンテーターの大半が社会派番組のそれだけに、やはりワイドショーを想起させる番組名はミスリードだろう。

また、このところコメンテーターの人選が『クレイジージャーニー』(TBS系)のようだが、事実として彼らのエピソードは質量ともズバ抜けているだけに、他の常連出演者たちも含めてもっともっと頼っていいのかもしれない。

一方、バーチャルコメンテーターは、基礎情報から笑いを誘うくだりまでトークの役割が多岐にわたるが、前述したように発展途上の段階。情報面を担うだけでなく、小峠が思う存分ツッコミを浴びせられる存在としても重要であり、できれば番組発の人気キャラクターにまで押し上げたいところだろう。それと、時にボケや皮肉で笑いを誘う林美沙希アナが、もう少し個性を出したほうが番組のバランスがよくなるのではないか。

衝撃映像系の番組で紹介される動画は「笑い」と「驚き」に特化している分、「どれも似たものばかり」という印象を与えがちだが、この番組にはそれがほとんどない。どちらかというと、出演者たちとショートドキュメンタリーを見ているような臨場感があり、どれも人々の生活につながっているものだけに考えさせられてしまう。

ただひとつ気になったのは、編成の場所。テレビ朝日の土曜夜は、『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』『池上彰のニュースそうだったのか!!』『サタデーステーション』『あざとくて何が悪いの?』『電脳ワールドワイ動ショー』『土曜ナイトドラマ』『オシドラサタデー』の順で放送されている。

こうして並べてみると、『あざとくて何が悪いの?』と『電脳ワールドワイ動ショー』の順番を逆にしたほうが視聴者層のフロー的には自然ではないか。もし『サタデーステーション』からTBSの『新・情報7daysニュースキャスター』に流れる視聴者が一定数いるなら、多少は効果があるかもしれない。

■次の“贔屓”は……連載200回記念特別編「平成から令和へ~バラエティはどこへ向かっていくのか」

NHKと民放キー局

次回は、2018年1月の連載スタートから200回目の節目を迎えての特別編。この間、動画配信サービスの台頭、視聴率指標の多様化、そしてコロナ禍など、テレビを巡る環境はますます変化を遂げている。

そこで、これまでピックアップした199回から主なバラエティを振り返りつつ、「ここ数年間、どんな番組が放送されてきたのか」「平成から令和に時代が変わる中、どのような変化が見られるのか」「どんな課題があり、どう向き合い、今後はどこへ向かっていくのか」などにも言及していく。