投資信託(以下、投信)は、少額から分散投資ができ、個人投資家にとっては便利な商品のひとつです。ただし、誰にとってもぴったりの投信というものは存在しません。数多くある銘柄の中から、自分の投資スタイルに合うものを選ぶ必要があります。では、投信にはどのような種類があるのでしょうか。投信の種類や、自分に最適な投信を選ぶポイントをまとめてみました。

「どこの」「何に」投資しているのか

投信は様々に分類できますが、まずは「どこの」「何に」投資する商品かでグループ分けしてみましょう。

<投資する地域はどこか>

投信は国内のみならず、海外の国(先進国、新興国)の資産にも投資しています。投信を地域で分類すると、日本国内だけに投資する商品(国内)、海外だけに投資する商品(海外)、国内と海外の両方に投資する商品(内外)となります。商品が「海外」や「内外」となっている場合には、その範囲を確認してみましょう。

なお、為替などの影響により、国内よりも海外に投資しているものの方が、値動きが大きい傾向にあります。また、海外の中でも先進国より、経済成長の伸びしろが期待できる新興国のほうが値動きは大きくなります。投資で積極的にお金を増やしていきたいタイプの人は、海外(新興国)、海外(先進国)、国内の順に優先順位をつけると良いでしょう。

<何に投資しているのか>

投信は、投資している資産によって、「株式型」「債券型」「REIT型」「コモディティ型」に大きく分類されます。REITとは、不動産に投資する投資信託のことです。コモディティとは、金や農作物、原油など商品のことで、コモディティ型はこれらを組み入れて運用するものです。

また、株式型は比較的値動きが大きいため、多少リスクを取ってでも積極的に運用していきたいタイプに向いていると言えます。一方、国債(国が発行する債券)や社債(企業が発行する債券)など債券のみで運用する債券型は株式型と比べて値動きが小さいため、手堅く投資したい人に向いています。

なお「バランス型」といい、株や債券、不動産など様々な資産にバランスよく投資されたものもあります。

インデックス型とアクティブ型の特徴とは

投信は、前述した「どこの」「何に」に加えて、「どのように運用しているか」によっても分類することができます。ひとつは「インデックス型」、もうひとつが「アクティブ型」です。

<インデックス型>

インデックス型は、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数:東証一部に上場する全銘柄の時価総額を足し、ある基準値で割ったもの)などの指数(インデックス)と連動した値動きになるよう運用するものです。特定の指数と連動することで値動きがわかりやすく、また、信託報酬など運用コストが安いことが特徴です。

たとえば、TOPIXに連動するインデックスファンドの場合、東証一部に上場している企業の株がびっしりと入った詰め合わせになります。同じ指数に連動するよう作られた商品なら、入っている会社もほぼ同じになるからです。つまり、組み入れる銘柄が決まっていることで、ファンドマネージャーの手を煩わせることがなく、その分コストが抑えられるというわけです。

<アクティブ型>

一方のアクティブ型は、市場平均や指数を上回る運用成果を目指して運用するものです。こちらは、ファンドマネージャーが有望な資産や銘柄を選び、投信に組み入れていきます。何を入れるかの基準や、資産を売買するタイミングなどもファンドマネージャーが決めているため、手間がかかっています。そのため、アクティブ型はインデックス型よりも信託報酬などコストが高く設定されているのです。

はじめに投資するならどれがいい?

このように、様々な種類がある投信。選ぶ際には、それぞれの特徴と自身の投資スタイルが合致するものを選択すれば良いことになります。それでもはじめは、「何が自分に向いているか分からない」「あまりリスクを取らず手堅く運用したい」という人が多いかもしれません。

そういう場合は、「バランス型」の投信から始めてみるのがおすすめです。バランス型は、様々な資産や地域にまんべんなく分散投資されている投信です。たとえば、国内株式25%、国内債券25%、外国株式25%、外国債券25%というように、4種類の資産が均等に投資されているものはよく見かけるタイプです。

バランス型は、あらかじめ多くの資産がバランスよく組み合わされている上に、運用を続けていて資産配分が変わった時には、自動でリバランス(資産配分を元の状態に戻すこと)してくれるメリットがあります。手数料が多少割高にはなりますが、個人では手間のかかる作業を代わりに行ってくれるのは嬉しいポイントです。

さらに、インデックス型であれば、特定の指数と連動して値動きがわかりやすく、コストが低く抑えられます。購入時手数料が無料になるノーロードのものもありますので、費用面で不安を感じず始めたい方にはおすすめです。

投信を分類して見ていくと、自分にどのような銘柄が合っているのか明確になってくるのではないでしょうか。気になる投信があればいくつかピックアップし、その内容をよく理解して比較してみましょう。

筆者プロフィール: 武藤貴子

ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント

会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーやマネーコラムの執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルティングを行うとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中。