東京でひそかにブームが生まれつつある「極太蕎麦」。食べ応えは抜群なのにラーメンよりも胃もたれを感じない、がっつりさっぱりな味わいが魅力です。そんな極太蕎麦屋さんを紹介していく本特集、今回は「酢重 Indigo 渋谷ストリーム」へ行ってきました。

  • 「酢重Indigo 渋谷ストリーム」で極太蕎麦を実食

味噌蔵から生まれた日本食を味わえる駅チカな食事処

渋谷駅C2出口より直結、改札から徒歩4分くらいのところにある蕎麦屋「酢重 Indigo 渋谷ストリーム」。黒を基調とした和モダンな外観・内観は高級感があり、蕎麦屋さんだと認識していなかったという人もいるのではないでしょうか。

  • 渋谷駅直結の渋谷ストリームにあるスタイリッシュな外観のこちら、実はお蕎麦屋さんなんです

「酢重Indigo 渋谷ストリーム」は、文政十年(1827年)に信州小諸で味噌蔵として創業された『酢重正之』が出店した食事処のひとつ。軽井沢を拠点とする『酢重正之商店』では、「酢重Indigo 渋谷ストリーム」でも使われている味噌や醤油、出汁などの調味料を販売しているそうです。

食事処は軽井沢や東京をはじめ各地で展開されており、海外ではシンガポールなどにも店舗があるのだとか。渋谷には「酢重Indigo 渋谷ストリーム」ほか、本格和食を味わえる「酢重ダイニング」も出店されています。

  • レジ横にも購入できる味噌や醤油などが展示されていました

本格お蕎麦と旬の天ぷらをじっくり堪能する

ランチメニューを楽しめる『昼の部』は、平日・休日ともに11時から16時まで。16時からは創作和食などを堪能できる『夜の部』の営業も実施しています(新型コロナウイルス感染拡大等の状況によって営業時間に変動あり)。

店内には1人でも訪れやすいようにか、カウンター席も用意されています。席数はかなり多いものの、土曜日の14時過ぎに訪れたこの日は8割ほど席が埋まっていました。

  • ゆとりのあるテーブルが多めな席配置になっているため、ソーシャルディスタンスを意識したい人でも訪れやすいかもしれません

来店客には2名、3名で訪れているカップルや友人グループなどが多い印象。お蕎麦を注文している人がメインのようですが、お酒片手に一品料理などを注文している人も見られました。

  • 席に着いたら冷たいそば茶が運ばれてきました

    席に着いたら冷たいそば茶が運ばれてきました

  • こちらはお蕎麦メニュー。『昼の部』ではお蕎麦はもちろん、一品メニューやお酒の注文も可能です

蕎麦メニューは定番メニューのほかに、期間限定メニューも用意されているようです。以前訪れた時にはなかった品も見受けられました。そしてサイドメニューとして注文できる一品料理も、天ぷらや冷菜、から揚げなど多数ラインナップされています。

今回は、お店1番人気だという「とり辛味そば(冷)」と、昼の一品から「野沢の天ぷら」を注文。

「とり辛味そば(冷)」(1,045円)

  • 「とり辛味そば(冷)」(1,045円)

    「とり辛味そば(冷)」(1,045円)

「とり辛味そば(冷)」(1,045円)は、定番「もりそば」(715円)へピリ辛に仕上げた鶏肉ときのこ、ゆでたまご、白ネギを加えた一品で、鶏油と唐辛子で味がプラスされているのだそう。ピリリとした辛みが食欲をそそる「酢重Indigo」人気商品です。

  • 真上から見てみるとより見やすくなるお蕎麦は5ミリ越えの分厚さです

  • 真横からのアングルでは、結構な深皿を余裕ではみ出すトッピングにのボリューム感ににやりできます

お蕎麦の提供と同タイミングでは薬味の「七味唐辛子」と「自家製辛味噌」が届けられました。

  • さっそく麺リフト。極太で短めの麺はインパクト大です

お蕎麦はかなり力強く、『超』が付くほどのカタめな仕上がりです。トッピングの下から引き上げるときは、ずっしりとお箸に重みが乗るのを感じました。そんな重厚感のある麺はすするというより「食べる」という表現ののほうが合うのでは? と思えるほど。

「噛めば噛むほど」とはこのことで、お蕎麦をひとくちずつ、じっくり食べ進めてゆくほどに、蕎麦の香りが広がっていきます。ざらりとした麺の表面にはスープがしっかり絡むので、ピリ辛だしとお蕎麦の美味しさを余すことなく同時に味わえました。

  • 鶏肉ときのこは鶏油と唐辛子で味付けされています。この辛みがうどんと絡まってとにかくおいしいんです

  • スープは赤み強めなコク深仕上げ。こちらにも鶏肉の油と唐辛子がしっかりとしみ込んでいる模様

ピリ辛な鶏肉はぷりぷりで、きのこは食感と香りをプラスしてくれます。ふんだんに乗せられた海苔や胡麻、白ネギも、豊かな風味を作り上げていました。食べるたびにさまざまなマリアージュを楽しめる、バラエティ豊かなおいしさを堪能できました。

  • 終盤には「七味唐辛子」や「辛味噌」をちょい足しするのもおすすめ。七味唐辛子ではお蕎麦全体の香りが豊かになり、辛味噌では甘辛なコクがより深まるのを堪能できます

ちなみに「辛味噌」は持ち帰りたくなるほどおいしいので、ぜひ味わってみていただきたいところ。こちらを入れるとスープの辛みにプラスして、甘く濃厚なコクを感じられるようになるのです。こっくりした美味しさが身体に染み渡る感覚は至高です。

なんでもこちらの「辛味噌」は、蕎麦との相性を考えて「酢重正之商店」の味噌を独自にアレンジしているのだそう。味噌だけでも充分においしいので、薬味もあわせて料理をいただくことで、より豊かに食事を楽しめる構成に喜びを感じます。なお、こちらの味噌は店舗でのみ味わえる非売品なのだそうです(残念)。

噛み応えのあるお蕎麦に皮付きジューシーな鶏肉を合わせて食べると、満足感は無限大。しかしベースのだしはすっきりしており、ヘビーすぎないバランスのとれた味わいも魅力的です。最後にはスープ割りをいただけば、余すことなく酢重のお蕎麦を楽しむことができました。

  • あたたかいスープ割りで最後にほっと落ち着くおいしさを楽しめます

「野沢菜の天ぷら」(550円)

  • あわせて注文した「野沢菜の天ぷら」は、薄くあしらわれた衣が上品のおいしさを表現しています。味付けは野沢菜にしっかりとついているので、何もつけずに食感と野菜の美味しさを堪能できました

薄い衣はカラッと軽やかに仕上げられているため、お蕎麦をガッツリ食べていながらも重たさを感じずに食べきってしまいました。

主役のお蕎麦はもちろん、一品メニューまで本格的な美味しさを楽しめる「酢重Indigo」。まぜそばやラーメンよりもすっきりしているのに、食べ応えは同等かそれ以上。タイミングを選ばないラインナップは仕事の合間のランチにもうってつけです。

「酢重正之」が営むお蕎麦屋さんは大手町駅などにもお店を構えているので、ぜひ平日のお昼休みに訪れてみてはいかがでしょうか。

酢重Indigo 渋谷ストリーム
【住所】東京都渋谷区渋谷3-21-3 渋谷ストリーム2F
【営業時間】11:00 ~ 23:00(22:00 LO)
【定休日】なし