どんな仕事でも3~5年近く働き、仕事の全体像が見えるようになってくると、少し飽きを感じてしまったり、「いつまでこの仕事を続けたらいいのだろうか」と思ったりするもの。そんな時、どう考えを整理すればよいのでしょう。

元ヤンキーでとび職からキャリアをスタートし、24歳から本格的に勉強を始め世界一の公立大学カリフォルニア大学バークレー校を卒業した鈴木さんに聞いてみました。

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現状分析から始めよう

誰かに相談しようにも、親だと「どんな仕事にも学びがある!」と価値観が異なる精神論、学生時代の友人は「そうねー、いいんじゃない(軽い)」など、相談してもあまり状況が変わらないことはよくあります。

そんなときは、更に成長できる選択肢として継続する、社内異動する、転職するなど複数あるが、行動する前にどう状況整理し、どう次に備えることができるかを考えてみましょう。

仕事の意味付けについて

Q:この仕事からも学びがあるって言われるのですが?
A:正直、仕事に無理やり意味付けするのは好きではないです。

過去の経験を振り返り、学びがあったと整理することは重要です。しかし、ルーチン化してしまっている仕事の状況に、無理やり意味づけして働き続けることは変化も進化もないので、個人的にはあまり好きな考え方ではないです。

例えば、メール問い合わせ対応のルーチン業務をしている人に対して、「ここで働くと文章力が養われる」などと説得しても、「他の仕事でもできそうだ」とか、「作家や編集者のようなプロと比較したら、たいしたレベルではない」と考えることだってできる。

今の仕事の意義から考えるのではなく、自分のパフォーマンスが平均的なレベルと比較してどれくらいの位置にいるのかを知ることが大切ではないでしょうか。

また目標とするレベルを設定し、比較対象の母集団を特定することで、次のアクションに繋がります。

仕事の平均的レベルをどう探る?

Q:ではその平均的ってどうやって探ればいいのでしょうか?
A:まずは社内で比較する。

作業時間(量的比較)やクオリティ(売上や影響度など質的比較)が平均的なレベルを上回るからこそ、「センスがある」とか「デキる」などと言われます。 なので、まずは周りのメンバーと比較してみることから始めましょう。

平均を下回っているのであれば、自惚れていたことに気づくし、上回っているのであれば次の目標設定をするきっかけになるでしょう。

次に、その母集団が自分の求めるレベルや目標であるか検討することです。言い換えると、レベルの低い集団内で平均以上でもあまり意味がないので、他部門や社外と比較していきます。

そのためには、ネットや書籍などから他の人のパフォーマンスを調べるだけでなく、セミナーに参加してネットワークを広げたり、その道のプロと直接話を聞いたりするなどすればよいでしょう。

自分の目標とする人たちの平均を意識した情報収集することで、もっと能力を高めないと異動や転職は難しそうだとか、具体的にこれを学んで今の仕事に使ってみようなど行動が変わってくると思います。

その他にも、外に目を向けることで、思いもよらない出会いや発見が次のアクションにつながることも多々あります。まずは情報収集から行動を広げてみてください。

執筆者プロフィール : 鈴木琢也(すずき・たくや)

1986年川崎市生まれ。中学生のころ、素行が荒れ暴力を繰り返す不良少年、いわゆる「ヤンキー」の仲間入り。高卒でとび職になる。その後、IT系資格を取得して上場企業に転職。さらに一念発起し、カリフォルニア大学バークレー校へ進学。15年卒業、人材育成支援のグロービス(東京・千代田)入社。マネジメントスクールの運営などを担当。著書に「バカヤンキーでも死ぬ気でやれば世界の名門大学で戦える。」(ポプラ社)『自分を動かし続ける力~元ヤンだった僕がカリフォルニア大学バークレー校で身につけた「最大限に成長する」習慣』(大和書房)がある。