『ドラゴンボール』は、世代を超えて愛される国民的漫画だ。かめはめ波や超サイヤ人、フリーザとの死闘など、数々の名シーンは今なお語り継がれている。

その作者である鳥山明は、圧倒的な画力と発想力を持つ天才として知られているが、実はもうひとつの顔があった。それは、「できるだけ効率よく成果を出す方法」を考え続けた仕事人としての一面だ。

今回は、『1日ごとに差が開く天才たちのライフハック』(三笠書房)から、鳥山明が実践していた生産性向上のヒントをご紹介。

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苦労せずに結果を出す方法を考える(鳥山明/1955~2024)

働くときには、要領のよさが必要だ。とんでもない功績を残した天才たちも、往々にして「最小の努力で最大の結果を出す方法」を追求することを怠らなかった。

『ドラゴンボール』で有名な漫画家・鳥山明は、誰もが認める「漫画の神様」だが、彼は努力だけで現在の評価を得たわけではない。彼はいつも、「どうすれば仕事を楽に終えることができるのか」を考える習慣を持っていた。『ドラゴンボール』には、ある種の〝お決まりのパターン〟がある。まず地球侵略にやってきた異星人たちが、核兵器並みの強力なエネルギーで都市という都市を破壊し、それから主人公・孫悟空たちと戦闘を始めるのだ。

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鳥山がこうした演出を取り入れていたのは、実は建物などを描くのが面倒だったからである。未来都市の細部にこだわって描写をしていては、手間がかかって仕方がない。都市が跡形もなく破壊されていれば廃墟を登場させるだけで済むし、異星人たちの残忍性とパワーを読者に印象づけることもできて、一石二鳥である。

そして、孫悟空らが「超サイヤ人」になると、髪が一瞬で白くなる(アニメでは黄色だが漫画では白である)が、これも髪に色を塗るのが面倒だったからだ。漫画家の労働量を減らし、なおかつ主人公の変身とパワーアップを効果的に描くことができる、この上ない演出というわけだ。

また、孫悟空らはしばしば、「精神と時の部屋」という異空間に入って修行を行う。設定によると、ここは一切の物体がない他の次元の空間である。つまり……もうおわかりだろう。背景を描く必要がないのだ。

私はなにも、鳥山が怠け者だと言いたいわけではない。むしろ彼は、「週刊誌連載」という殺人的なスケジュールに対応するために、生産性を高めるための工夫を惜しまなかったと言うのが正しいだろう。

仕事において、努力や勤勉さは大切だが、それがすべてではない。何をするにしろ、「もっと簡単に済ませる賢いやり方はないか?」と考える習慣を持っていれば、最小の努力で最大の結果を出せるようになるはずだ。

1日ごとに差が開く天才たちのライフハック(三笠書房)

¥847円
著者:許 成準
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