日本能率協会マネジメントセンターは9月3日、新入社員の働き方と指導者の接し方に関するアンケート調査の結果を発表した。調査は6月、2017~2018年入社の新入社員391名、および新入社員の育成に関わる上司・先輩社員516名を対象に、インターネットで行われた。

失敗を恐れる新入社員82.9%

  • 仕事での失敗に対する意識

    仕事での失敗に対する意識

全調査対象者に「失敗から学ぶことは多いので、恐れず仕事に取り組むことが大切だと思いますか?」と聞いたところ、「そう思う」と回答した人の割合は、新入社員で71.9%、バブル期(1998~1992年)入社の上司・先輩社員では74.6%、氷河期(1999~2003年)入社の上司・先輩社員が76.1%という結果に。各世代とも、7割超が「失敗を恐れず仕事に取り組むことが大切だ」と考えていることがわかった。

しかしながら、「仕事で失敗したくない」という人の割合は、上司・先輩社員では7割前後(バブル期入社66.7%、氷河期入社70.1%)であるのに対し、新入社員は82.9%と高い割合を示す結果に。新入社員の多くが、失敗を恐れないことの大切さは認識しつつも、実際には失敗したくないと思っていることが浮き彫りとなった。

新入社員の労働意識が多様化

  • 職場環境や働き方において、どちらを重視しますか?

    職場環境や働き方において、どちらを重視しますか?

次に、新入社員を対象に、職場環境や働き方に対する意識を尋ねたところ、全体的に二極化する傾向が明らかとなった。

具体的には、「チームワークを重視する職場(55.8%)/個人の裁量に任せられる職場(44.2%)」「責任ある仕事を任されたい(46.5%)/任されたくない(53.5%)」「管理職になりたい(47.8%)/なりたくない(52.2%)」「在宅勤務などが増え、直接的なコミュニケーション機会が減ると困る(49.9%)/メールやネット会議などができれば、上司や先輩が近くにいる必要はない(50.1%)」など、仕事に対する意識が個人ごとに異なっていることが見て取れた。

新人と先輩で「残業に対する考え方」にギャップ

  • 自分自身が成長することに対して、どのように考えますか?

    自分自身が成長することに対して、どのように考えますか?

新入社員に対し、自分自身が仕事で成長することに対する考え方を聞くと、新入社員の60.6%が「一時的に業務の負荷や労働時間が増えても挑戦したい」と回答した。

一方、上司や先輩社員の約6割が「新人の成長につながる仕事であっても、残業をしないことを優先して業務を減らしている」(58.5%)ことが明らかに。残業してでも成長したいと望んでいる新入社員と、成長よりも残業削減を優先する先輩・上司社員との間に、大きなギャップがあることが浮き彫りとなった。