本連載では、ゼロから勉強を始め世界の名門大学卒業するまで自分を変え続けた鈴木さんに、マイナビニュース読者が持つ「どう勉強をすればよいのか」や、「成長するには何を始めればよいか」についてお答えいただきます。

  • 勉強を継続できますか?

継続して学ぶための動機を持つ方法は?

以前から興味のあったことを学ぼうと思って始めてみたけど、なかなか時間がとれない、他のことが気になって集中できない。結果的に継続できなかった。そんな時どうすれば良いのか、鈴木さんにお聞きしました。

学ぶための目標設定について

Q:学びを成功させる! という強い動機を持てないがどうしたらいい?
A:多くの社会人にとって、ものすごく強い動機は必要ないと考えています。

何かを取り組む際に、強い動機があるにこしたことはないですが、普通ないですよ。私はいままで、様々なことに挑戦しましたが、動機が弱いため継続できず、失敗したことも多々あります。名門大学に入学するぞ! って思った時には、強烈な学ぶ動機と巡り会えましたが、それは偶然や運の要素も大きかったです。

「強い動機を持つまで継続して学べない」と考えてしまうと、場合によってはずっとやらないことになりそうですよね。社会人は限られた時間の中で成果を出そうとするのですから、まずはやってみることが重要です。そのとき、闇雲に始めるのではなくて、どのレベルまで学べばいいか目標を設定するといいと思います。

目標の達成度合いについて

Q:学ぶ目標って、どう設定すればいいでしょうか?
A:学び終わったあと、自分がどうなっていたいかをしっかりと考えることから始めます。 限られた時間の中で学ぶためには、どのレベルまでやるかを決めることが先決です。

目標の達成度合い 自分がどうありたいか
レベル1 理解できればいい
レベル2 説明できればいい
レベル3 応用できればいい

目標の達成レベル1

社会人の多くは、「少し興味を持ったから勉強を始めた」というケースが多いでしょう。この場合、理解できることが目標かと思います。こうした時は、あまり肩肘はらないで、リラックスして本を読んだり、時間をとって動画視聴したりして学べばいいでしょう。

人に説明したり、応用したりしないのであれば、プレッシャーを感じてやる必要はなく、あくまでも楽しみながら情報を得ることが重要です。忘れてしまってもいいので、どんどんインプットするべきです。

目標の達成レベル2

説明できることが目標の場合、説明するために理解し、覚える必要があります。例えば、会社を代表してセミナーに参加したら、終わったあとにレポートする必要がありますよね。

そのためには、理解するだけでなく、誰かに内容を説明するとしたら、どの部分で質問されるだろうなどと想像しながら深いインプットを進めます。こうすれば、理解するだけでなく、忘れにくくなります。資格勉強などするのであれば、誰かに教えることを前提に学ぶと効率的です。

目標の達成レベル3

応用できるのが目標の場合、到達するまでに相当な時間がかかります。例えば、英語の文法と語彙を理解し、使い方を説明できるようになっても、ネイティブのような文章は書けません。書いた内容をネイティブにフィードバックしてもらう必要があります。

私が大学で文章を学んでいた当時、書いた文章を週に1回必ずネイティブの友人に添削してもらっていました。3年間その作業を繰り返すことで、バークレーでなんとか論文を書けるレベルになりました。

レベル3を目標にすると、自分ひとりで学ぶことに限界を感じやすく、社会人が学ぶ上での難所はここです。メンターや仲間を見つけたり、学校に通って専門家からフィードバックを貰ったりすることで、結果的に早く成長できるでしょう。

執筆者プロフィール : 鈴木琢也(すずき・たくや)

1986年川崎市生まれ。中学生のころ、素行が荒れ暴力を繰り返す不良少年、いわゆる「ヤンキー」の仲間入り。高卒でとび職になる。その後、IT系資格を取得して上場企業に転職。さらに一念発起し、カリフォルニア大学バークレー校へ進学。15年卒業、人材育成支援のグロービス(東京・千代田)入社。マネジメントスクールの運営などを担当。著書に「バカヤンキーでも死ぬ気でやれば世界の名門大学で戦える。」(ポプラ社)『自分を動かし続ける力~元ヤンだった僕がカリフォルニア大学バークレー校で身につけた「最大限に成長する」習慣』(大和書房)がある。