元ヤンキーでとび職からキャリアをスタートし、24歳から本格的に勉強を始め世界一の公立大学カリフォルニア大学バークレー校を卒業した鈴木琢也さん。

帰国後は、著書「バカヤンキーでも世界の名門大学で戦える」「自分を動かし続ける力」など執筆活動や、教育系企業で勤めながら社会人教育に携わっています。

本連載では、ゼロから勉強を始め世界の名門大学卒業するまで自分を変え続けた鈴木さんに、マイナビニュース読者が持つ「どう勉強をすればよいのか」や、「成長するには何を始めればよいか」についてお答えいただきます。

社会人が持つ不安や悩み

社会人となって働き始めると、自分を振り返る機会を持つことは、多くないと思います。それでも、ふとした瞬間に漠然とした不安を感じることはありませんか? 明確な問題があるわけではないけれど、このままで良いのか? と思ってしまう。 でも何かを強く始めたいわけではない。なにか勉強を始めたいけれど、時間を作ることが大変なので後回しにしてしまう。そんな時どうすれば良いのか、鈴木さんにお聞きしました。

  • 勉強と聞くと身構えてしまう

勉強を始めたわけ

Q:なぜ不良だったのに突然勉強しようと思ったのですか?

A:一番キライだった父親が私を変えた大きなきっかけになりました。外資系生命保険会社で営業をしている父が16年努力した末に表彰されることになり、表彰式に参加しました。そこで色んな人と出会い、話を聞いていると「トップセールスは2億も稼いでいる」とか、「仕事に情熱こめて社会をよりよくしていくんだ!」なんて話を聞いて、すごく驚きました。

当時、とび職をしていた私にとっては無縁の世界。でもせっかく働くなら、父親と同じくらいたくさん稼ぎたいし、やり甲斐を感じる仕事がしたいなと単純に憧れたのが大きなきっかけでした。

勉強方法について

Q:一念発起してからどのように勉強をはじめたのですか?

A:まずは、身近な両親にたくさんアドバイスをもらいました。でもすぐに猛烈に勉強したわけではなくて、その後少しずつ父親や母親と「なぜ親父は仕事がうまくいきはじめたのか」「成功とはなにか」など質問しているうちに、両親がどれだけ粘り強く努力していたのか、家族への思いや愛情があることを知りました。そして、キライだった両親のアドバイスを本気で受け止めることができるようになり、「親父が言うようにおれも勉強しよう」と思ったのです。最初は漢字が読めなくて苦労しました(笑)

成長するために必要なこと

Q:新たな挑戦をはじめるうえで、自分を成長させていくために必要なことはなんですか?

A:自分にとって大切なストーリーを持つことが大切だと考えています

私は、もともと怠け者な性格です。突然変わろうと思ってもそう簡単にはかわれませんでした。しかし、父親の努力に触れることで、影響され、私の中に「親父の背中」を追いかける自分というストーリーが始まりました。

きっかけを得て何かを始めることは簡単ですが、それを続けることがとても難しい。そこに自分にとって大切なストーリーを持つことで、常になぜいま行動を起こし始めたのか、周囲からはどんな期待を受けてそれに応えようとしているのかを考えさせられます。そのプレッシャーをテコに行動しつづけることができました。

突然ストーリーが降りてくることはないので、身近な人や自分にとってとても大切な人にインタビューするように色々と話しを聞いてみることをおすすめします。普段は気づかないその人の影の努力や自分に対しての期待があることなどを知り、もっと頑張らなきゃと思わせてくれることがあります。

執筆者プロフィール : 鈴木琢也(すずき・たくや)

1986年川崎市生まれ。中学生のころ、素行が荒れ暴力を繰り返す不良少年、いわゆる「ヤンキー」の仲間入り。高卒でとび職になる。その後、IT系資格を取得して上場企業に転職。さらに一念発起し、カリフォルニア大学バークレー校へ進学。15年卒業、人材育成支援のグロービス(東京・千代田)入社。マネジメントスクールの運営などを担当。著書に「バカヤンキーでも死ぬ気でやれば世界の名門大学で戦える。」(ポプラ社)『自分を動かし続ける力~元ヤンだった僕がカリフォルニア大学バークレー校で身につけた「最大限に成長する」習慣』(大和書房)がある。