整体師のりょうです。オフィスワーカー向けの肩こり解消ストレッチの5回目です。今回も職場でいすに座ったままできる簡単なストレッチです。とても簡単なしぐさの中に難しさがありますので、ご自身の筋肉の状態を想像しながら行ってください。
グッと力を入れてからゆっくり力を抜く
ストレッチの手順は以下の通りです。
(1)両手は身体の真横にして座面を持つ
(2)体重を両腕に乗せるくらいの意識でグッと力を入れ身体を支える
(3)ゆっくり腕、肩、首の力を抜いて、肩の間に頭が入るようにすべて脱力する
(4)この状態で「4秒鼻から吸って6秒口から吐く」工程を2回繰り返す
ポイントは最初にグッと力を入れた後にゆっくり力を抜くため、変な力が入りっぱなしにならないようにうまく脱力することです。また、絶対に呼吸を止めない点も大切です。肩甲骨周りの力が抜け、肩がすっきりしましたらうまくできています。
肩周辺に変化がない場合、もう一度行ってください。それでも変化がないようでしたら、うまく力が抜けていない可能性が考えられます。大きく息を吸って、ゆっくり吐きながら首をすぼめるように行うとできるようになってきます。何度か練習してみてできるようになれば、爽快感が生まれますよ。
右肩を前へ、次に左肩を前へ
同じ開始ポーズから行う、別バージョンのストレッチも紹介しましょう。ストレッチの手順は以下の通りです。
(1)座る姿勢は先ほどと同じで、両手を身体の真横にして座面を持つ
(2)映像にあるように、肩を前後に動かして確認する
(3)まっすぐ前を向いた姿勢から、ゆっくり右肩を前へ押し出す。このときに肩甲骨周辺に刺激があるならば、できている証拠
(4)この状態で「4秒鼻から吸って、6秒口から吐く」工程を2回繰り返す
(5)肩を戻し、次に左肩をゆっくり前へ押し出す。このときに肩甲骨周辺に刺激があるならば、できている証拠
(6)この状態で「4秒鼻から吸って、6秒口から吐く」工程を2回繰り返す
映像にありますように、肩を前後に動かしてご自身の肩がどれくらい動くのか確認してみましょう。もうすでにこれができないという人もいるかもしれません。そのような人は相当身体の硬い人ですから、日頃からいろんなストレッチを行って、身体を柔軟にするよう心がけましょう。
また、肩を前へ押し出すことが難しく、どうしても身体が斜めになってしまう人もあるでしょう。そんな人も硬い証拠です。これはすなわち、背中~肩甲骨周辺の筋肉が固まっていることを意味します。そのような身体ではそもそも肩こりになりやすいですから、日常的なストレッチをお勧めします。
ゆっくり行うことが大切
仕事中に肩や首がこったというときは、少しでも早く改善させたくなりますよね。だから「キュッキュッ」と適当に首や肩を動かしてそれで終わりという人もあることでしょう。
しかしその程度ではほとんど改善されていなくて、ほんの少しその場をしのいだだけなのです。たった30秒や1分程度のストレッチで大きな効果を発揮することができますので、一つひとつしっかり行うよう心がけてください。
筆者プロフィール: 鮎川良
奈良県の学園前にて「RYO整体院」を営む整体師ランナー。整体師だからこそ分かる身体のメカニズムを基に、ストレッチの重要性を説き、クリニックも開催する。ストイックにタイムを追求するよりも、健康で楽しいマラソンライフを提案。筋肉痛になりにくい身体作りや疲労回復のケア方法、自身が提唱する疲れにくいランニングフォーム「エンジョイラン走法」で、フルマラソン走破を目指す人のサポートをしている。著書に『がんばらないで楽に長く走る』(学研パブリッシング)がある。また、累計360万アクセス超の人気ブログ「整体師に学ぶ~マラソンによる筋肉痛改善方法と、フル完走ノウハウ」も執筆している。