ウェザーニューズは2026年6月4日、6〜9月の天気傾向とそれに伴う商品の売れ行きを予想した「夏の小売需要傾向2026」を発表した。本発表は、過去の夏のGoogle検索数の傾向と気象データの関係を分析し、今年の夏の気温傾向をもとに季節商品が注目される時期を気象データアナリストが予想したもの。
エルニーニョ発生でも冷夏にならず、広い範囲で気温が高い見通し
今年の夏は、熱帯太平洋ではエルニーニョ現象が、インド洋では正のダイポールモード現象が発生する見込みである。通常、エルニーニョ現象が発生すると冷夏や長雨になると言われている。これは、貿易風が弱まることで熱帯太平洋の海面水温の高い領域が東にシフトし、対流活動が東寄りで活発になり、太平洋高気圧の日本への張り出しが弱まる傾向があるためだ。
ところが、今年の夏は正のインド洋ダイポールモード現象も発生、もしくは近い状態するため、インド洋から西太平洋熱帯域への西風が強まる。この風がフィリピンの東で貿易風とぶつかり、対流活動が活発になる見込みである。また、北日本の近海から北米西岸沖にかけて海面水温が高い状況が予想され、偏西風は日本付近で平年より北寄りに流れやすい傾向だ。このため、太平洋高気圧の日本付近への張り出しは概ね平年並か北寄りにやや強まりやすく、チベット高気圧の日本への張り出しも平年並となりそうだ。さらに地球温暖化の影響で、地球全体で気温が高い状態となっている。
この結果、今年の夏はエルニーニョが発生しても冷夏とはならず、広い範囲で気温が高くなりそうだ。チベット高気圧と太平洋高気圧が重なってダブル高気圧になる可能性もあり、最高気温35℃以上猛暑や場所によっては最高気温40℃を超える「酷暑への備えも必要である。
エリア別では、6月は北日本ではやや高い〜高い、東・西日本では平年並〜高い、沖縄奄美では高い予想と幅がありそうだ。7〜8月は全国的に平年より気温が高い予想で、広範囲で晴れて暑い日が多い傾向だ。9月も北日本・沖縄で平年より高い、東・西日本ではやや高い〜高い傾向で、厳しい残暑が続きそうだ。
梅雨前線の活発化による大雨に警戒、日本接近の台風は平年より多い14個程の予想
梅雨入り時期は、これから梅雨入りする東日本と東北地方では平年並〜遅く、梅雨明けは平年並〜早い予想である。梅雨の総雨量は沖縄・奄美で平年より多い、九州地方から東日本で平年並〜多い、東北地方は平年並の見通しだ。6月後半から7月中旬にかけて梅雨前線の活動が活バツになるおそれがあるため、強雨や大雨に十分に備えてほしい。梅雨明け後から8月にかけては晴れて暑い日が多い予想だが、太平洋高気圧の張り出しが弱まって、暖かく湿った空気が日本付近へ流れ込みやすくなる時期もありそうだ。また、6月以降の台風発生数は概ね平年並の見込みで、日本に接近する台風は平年より多い14個程の予想である。
夏物商品の需要が高まる見込み、そうめんは31℃以上、スポーツドリンクは32.5℃を境に検索数が急増
今夏は全国的に気温が高い傾向となる見込みである。このため、アイスや冷やし麺などのコールド商品や、スポーツドリンクなどの熱中症対策となる商品、ハンディ扇風機、汗拭きシート、制汗剤といった暑さ対策となる日用品など、夏物商品の需要は高まりそうだ。また、9月も高温傾向が続くため、夏物商品の人気は長く続きそうだ。
今年の東日本の気温は、2023年と類似した気温傾向になる予想である。2023年の6〜8月にかけて夏物商品のGoogle検索数と東京の気温の傾向を見てみると、そうめんの検索数は6月はじめから増加傾向を示し、8月中旬ごろまで検索数が多い状態が継続している。
気温も同様に、6月はじめから上昇し7月下旬〜8月上旬にピークを迎えている。また、この年の6〜7月のそうめんの検索数と気温の相関を分析すると、おおよそ31℃以上で検索数がぐっと伸びることがわかっている。
スポーツドリンクの検索数もそうめんと似た傾向で、気温の上昇とともに6月はじめからじわじわと増加し、7月中旬から8月上旬にピークを迎えている。スポーツドリンクの6月〜7月の検索数と気温の相関関係を分析してみると、気温34.1℃まで上昇するにつれ検索数も増加する傾向があり、特に32.5℃を境に検索数が急増していることが分かっている。また、8月中旬以降は検索数は減少傾向にはあるが、8月下旬も気温の高い日が多く、検索数が再び増加している期間もある。残暑が厳しくなりそうな今年も、ピーク後も需要が高まる可能性がありそうだ。
エリアごとの気象見解
各エリアの6~9月の気温傾向および気象見解は以下の通りである。
北日本(北海道・東北)
6月の気温は北海道で平年より高く、東北地方でやや高い予想で、天気は周期変化しながら暑くなる日もありそうだ。東北地方の梅雨入りは平年より遅い予想である。7月の気温は高く、北海道は中旬にぐずつく時期があり、東北地方は中旬にかけて大雨に注意が必要だが、下旬は次第に晴れて厳しい暑さになりそうだ。東北地方の梅雨明けは平年より早い予想である。8月の気温は高く、厳しい暑さが続く見込みだ。中旬にかけて晴れる日が多いが雷雨もあり、下旬は北海道で曇りや雨の日が増え、東北地方には台風が接近するおそれがある。9月の気温は高く、上旬を中心に残暑が厳しくなりそうだ。各地域とも天気は周期変化するが、上旬から中旬は晴れる日が多い見込みである。
東日本(関東甲信・北陸・東海)
6月の気温は北陸地方で平年並、その他は平年より高い予想で、中旬以降は曇りや雨の日が増えて蒸し暑くなりそうだ。下旬は太平洋側で大雨への警戒が必要である。梅雨入りは北陸で平年より遅く、その他は平年並の予想だ。7月の気温は高く、梅雨明け以降は晴れて暑い日が多くなる見込みである。前半から中旬は曇りや雨の日が多く、特に日本海側は大雨に注意が必要だ。梅雨明けは平年並の予想である。8月の気温は高く、猛暑日となるなど厳しい暑さが続く見込みだ。上旬は強い雨に注意が必要で、中旬以降は晴れる日が多くなるが雷雨の可能性もあり、下旬は台風が接近するおそれがある。9月の気温はやや高い~高い予想で、残暑が厳しくなりそうだ。上旬は晴れる日が多く、中旬は台風接近のおそれがあり、下旬は天気が周期変化する見込みである。
西日本(近畿・中国・四国・九州)
6月の気温は近畿地方で平年並、その他は平年より高い予想で、前線の影響により曇りや雨の日が多くなりそうだ。特に下旬は強雨や大雨への警戒が必要である。梅雨入りは平年並~早い傾向であった。7月の気温は高く、後半は晴れて夏本番の厳しい暑さになりそうだ。前半は曇りや雨の日が多く、大雨に注意・警戒が必要である。梅雨明けは平年並~早い予想だ。8月の気温は高く、猛暑日となるような厳しい暑さが続く見込みである。上旬は台風が接近するおそれがあり、中旬以降は晴れる日が多くなるものの雷雨や強雨の日もありそうだ。9月の気温はやや高い~高い予想で、厳しい残暑が続きそうだ。上旬は晴れて雷雨の日があり、中旬から下旬は周期変化しながらも晴れる日が多く、台風が接近する可能性もある。
沖縄・奄美
6月の気温は高く、中旬にかけて曇りや雨の日が多くなりそうだ。下旬は晴れる日が多くなって本格的な夏が訪れる見込みである。梅雨明けは平年並~早い予想だ。7月の気温は高く、晴れる日が多いものの、中旬を中心ににわか雨や雷雨の日が多くなりそうだ。8月の気温は高く、汗が吹き出るような厳しい暑さが続く見込みである。晴れる日が多いが、台風が接近するおそれがあるため注意が必要だ。9月の気温も高く、残暑の厳しい時期が続きそうだ。晴れる日が多いものの、前半は台風が接近するおそれがあるため最新情報への注意が必要である。各月ともに厳しい暑さが続くため、熱中症対策が欠かせない。




