昨今の新型コロナウィルスの影響もあり、朝からそば屋に向かうために乗った電車だけでなく、あの新宿駅近辺ですら人出の減少を肌で感じた。各自、十分配慮と注意をしつつ立ち食いそばを楽しんでいただきたい。一日も早い収束を願うばかりであるが……。
さて、新宿である。今回の一杯は都営大江戸線「新宿西口」駅より徒歩3分のところにある「だるまそば」からお届けする。具体的には、西武新宿駅の西側、小滝橋通り沿いにあり、あと数分北上すれば百人町、大久保エリアも近いあたりだ。歌舞伎町に近いのだが線路に阻まれ直通の導線が遠く、雑多な飲食店と専門学校・予備校などで独特の雰囲気を醸し出している。
ボリューム大の丼ものセットが充実
「だるまそば」は早朝から営業。到着時刻は午前9時前で、店内には先客が1名。後に店主とのやり取りを見るに、常連客のようだった。入って左手すぐに券売機。そば・うどんよりも「玉子かけご飯」や「なす天丼」、「コロッケ丼」や「魚フライ丼」「とろろ丼」などなど、丼もののセットがよく目立つ(もちろん単品もだ)。そば・うどんの方は同じタネを使ったメニューが多い。その中でも一際気になったのが「キムチそば」(500円)だ。初めて見るメニュー、まだ朝方だがこれは食べざるを得ない。
想像を裏切らないキムチ×そばの一杯
店内は立ち食いエリア含むカウンターのスツール付きで十数人は入るか。狭さはない。厨房に「そばで」の旨を伝え、待つこと1分。想像通りの一杯がお目見えだ。かけそばの上にキムチがのっている。キムチは熱が入っているわけではなく、どちらかといえばネギのような薬味の顔をして、そこにある。ただそれだけ、と言ってしまえばおしまいだが、なかなか思いつかないアイデアだ。味は、正直言ってC級グルメの味。かけそばとキムチなので、それぞれはもちろん美味いが、取り立ててハーモニーを奏でているかと言われると……。シャキシャキのキムチの歯ざわりと、やわらかい麺の取り合わせは面白い。だが、やはりかけそばとキムチかな。白飯が欲しくなる気もする。
大久保に程近い立地からこのメニューが生まれたのだろうか、丼の中にも「豚キムチ丼」があった。食べた後は、独特の風味がしばらく口に残ることになるので注意されたいが、リモートワーク中なら気にすることも少ないかもしれない。もちろんかき揚げそばのチョイスでも良いのだが。