きっぷの場合と基本的には同じ

当連載第17回で、新幹線や在来線特急列車が大幅に遅延したり、運休になったりした場合の特急券の扱いについて説明した。だが、現在はインターネット予約を利用し、チケットレスで新幹線に乗車する人も多い。この場合、遅延や運休に見舞われたらどういう扱いになるのか。この回で解説したい。

  • 冬は雪や強風、夏から秋にかけては台風など、自然災害は列車運行の大敵。遅延や運休が発生したら、冷静に対応しよう(写真はイメージ)

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まず、基本的に、紙のきっぷを使って乗車する場合も、チケットレスで乗車する場合も、適用される規則に変わりはないことは確認しておきたい。どのような乗車方式であっても区別されることなく、払い戻しなどの扱いは受けることができる。

異なる点は、きっぷを使っている場合、「みどりの窓口」などで払い戻しや変更の取り扱いをしてもらわなければならないのに対し、インターネット予約の場合は各サイトに表示される案内に従い、自らスマートフォンなどの端末を操作する必要があるということ。もしくは自動的に処理され、何もしなくてもよい場合もある。いちいち説明を受けたり列に並んだりして、時間を費やす必要がない点が一番のメリットだろう。

「エクスプレス予約」ではどうなる?

JR東海の「エクスプレス予約」の場合、列車の大幅な遅延や運休が発生すると公式サイトのトップに表示されるので、ログインすれば確認できる。また、登録しているメールアドレス宛に案内メールが送信されるので、それに従っていれば間違いない。

  • 「エクスプレス予約」では、公式サイトの案内に従おう

乗車した新幹線が2時間以上遅れて目的地に到着したならば、そのままEX予約専用ICカードを下車駅の自動改札機にタッチすればよい。後日、「エクスプレス予約」の決済用クレジットカードへ、自動的に特急券相当分の払い戻しがあるから、利用客はとくに端末を操作する必要はない。

列車の運休によって旅行を取りやめる場合も、公式サイトへログインして「ご旅行を中止される場合のお取り扱い」が掲出されていれば、手数料なしで払い戻しが受けることができる。「予約確認 / 変更 / 払戻」の画面から、各自で操作すればよい。

改札口を通過する前であれば、発車時刻前の列車への変更は通常通り手数料なしで可能。乗車予定の列車だけ遅延・運休している場合は、自分で端末を操作し、予約し直せば大丈夫だ。

また、「エクスプレス予約」で予約しても、e特急券など紙のきっぷに引き替えた後の扱いは通常のきっぷと同じ。この場合、払い戻しなどを扱うのはJR東海またはJR西日本の窓口のみとなるため、この点だけは注意が必要である。なお、「スマートEX」利用の場合もエクスプレス予約に準じる。

「モバイルSuica特急券」の場合は?

JR東日本の「モバイルSuica特急券」の場合、適用される規則は同じだが、「エクスプレス予約」とは端末の操作などに違いがある。

乗車した列車が2時間以上の遅延、または運休した場合は、モバイルSuicaアプリに登録されたメールアドレス宛に、払い戻しの案内メールが乗車の3日後以降に送信されてくる。その後はメールに記載された手順通りに操作していけばよい。この場合、通常の払い戻し操作を行うと、払戻手数料が請求されてしまうので、メールの到着を待とう。

  • 「モバイルSuica特急券」の場合は案内メールが送られてくる

自由席の場合は、まず案内メールが送られてくる。そしてメールに記載された通り、乗車した列車を登録し、その列車が払い戻し対象に該当する場合は、指定席の場合と同じく乗車の3日後以降に払い戻しの案内メールが改めて送られてくるので、それに従い操作を行う。

予約した列車に乗り遅れた場合は?

いずれのインターネット予約サービスも、予約した列車の発車時刻前なら、何回でも予約の変更が可能だ。そのため、乗り遅れそうなら自分で端末を操作し、乗車できる時刻の列車に変更すれば事足りる。

  • 運転見合わせを知ったら、すぐに自分でどうするか判断しよう(写真はイメージ)

  • 「はやぶさ」など、全車指定席の列車に乗り遅れた場合は、扱いが異なる(写真はイメージ)

もし発車時刻前に変更できなかった場合も、紙の特急券と同様、予約した区間と同じ区間ならば、当日中の後続列車の自由席を利用できる。全車指定席の「はやぶさ」「はやて」「こまち」「かがやき」を「モバイルSuica特急券」で予約していた場合、後続列車の立席なら利用できる。一方、乗車列車を限定した割引商品の場合、後続列車は利用できないので注意が必要だ。

※写真はイメージ。本文とは関係ありません。

筆者プロフィール: 土屋武之

1965年、大阪府豊中市生まれ。鉄道員だった祖父、伯父の影響や、阪急電鉄の線路近くに住んだ経験などから、幼少時より鉄道に興味を抱く。大阪大学では演劇学を専攻し劇作家・評論家の山崎正和氏に師事。芸術や評論を学ぶ。出版社勤務を経て1997年にフリーライターとして独立。2004年頃から鉄道を専門とするようになり、社会派鉄道雑誌「鉄道ジャーナル」のメイン記事を毎号担当するなど、社会の公器としての鉄道を幅広く見つめ続けている。著書は「鉄道員になるには」(ぺりかん社)、「まるまる大阪環状線めぐり」(交通新聞社)、「新きっぷのルール ハンドブック」(実業之日本社)、「JR私鉄全線 地図でよくわかる 鉄道大百科」(JTBパブリッシング)など。