■電子マネーのメリット・デメリット

次に、電子マネーのメリットとデメリットをそれぞれ解説します。

▼電子マネーのメリット

電子マネーのメリットは、以下の3点です。

・決済がスピーディ
・利用できる場面が多い
・紛失しても残額が保証される場合がある

電子マネーは、事前にカードを登録したスマホを専用端末にかざすだけで、決済できます。FeliCaやNFCを搭載したスマートフォンに電子マネーを登録すると、二次元コード決済のようにアプリを起動する必要もありません。

暗証番号の入力を求められる場合があるクレジットカードや、バーコードの読み取りと金額の入力が必要なコード決済よりもスピーディに決済できる点が、電子マネーの魅力でしょう。

また対応している店舗数が多く利用しやすいのも、電子マネーのメリットです。例えばSuicaは、全国の100万店舗で利用が可能 であり、QUICPayは全国の133万ヵ所で利用できます。

参照 : Suicaにおけるデータとサービスの在り方
参照 : QUICPayの使えるお店

SuicaやWAONなど、記名式のプリペイド型カードには残額保証があるため、紛失時に手続きを行えば残額が戻ってきます。カードやスマホなどが手元に戻ってこなくても残額を返してもらえる可能性がある点は、現金にはない電子マネーのメリットです。

▼電子マネーのデメリット

一方で電子マネーには、以下3点のデメリットに注意が必要です。

・利用上限額が低い
・プリペイドカードは事前にチャージが必要
・ポストペイ型は使いすぎる恐れがある

電子マネーは、1回あたりの決済可能金額が低い傾向にあります。例えばQUICPayは、1回あたりの決済可能金額が2万円に設定されています。※QUICPay+に対応した店舗では、上限なし

クレジットカードは、1回の決済で数十万円や数百万円の利用が可能です。それに比べて電子マネーの決済可能金額は、1回あたり2万〜5万円程度であることも珍しくないため、高額な買い物にはあまり向かないといえます。

プリペイド型は、残高以上に使いすぎる心配がない一方、残高を定期的に確認し必要に応じてチャージをしなければなりません。ポストペイ型は、事前のチャージが不要ですが、クレジットカードと同様に使いすぎてしまう恐れがあります。

■電子マネー一体型クレジットカードとは?

電子マネー一体型クレジットカードとは、簡単にいうと電子マネーの機能を搭載したクレジットカードです。 状況に応じて電子マネーによる決済とクレジットカードによる決済のどちらかを選択できます。

電子マネー一体型クレジットカードには、オートチャージ機能が付いています。電子マネーの残高が不足していた場合、クレジットカードから自動的にチャージされるため、残高不足を心配することはありません。

またカードによっては、クレジットカードから電子マネーへチャージときと、決済をするときのそれぞれでポイントが獲得できます。

ただし通常のクレジットカードと同様に、使いすぎには注意が必要です。使いすぎが怖い方は、専用の管理アプリや家計簿アプリにカードを登録して、定期的に支出を確認しましょう。

■日常使いなら電子マネーが便利

電子マネーの決済に慣れてしまうと、クレジットカードや二次元コード決済の利用が、とても手間に感じます。1回あたりの決済上限はありますが、食料品や日用品の購入など日常生活で支払いをする場面においては、不便に感じるケースは少ないでしょう。

「忙しくて時間がない」と感じている方は、会計をスムーズに済ませられる電子マネーを活用してみてはいかがでしょうか。