楽天グループ、楽天ペイメント、ファミリーマートの3社は5月22日、楽天のサービスを利用すると還元ポイントがアップする「SPU(スーパーポイントアッププログラム)」において、対象サービスとしてファミマの利用が追加されたと発表した。楽天グループ以外の企業としては初の参画で、毎月3,000円以上をファミリーマートで利用するとSPUが0.5倍アップする。
楽天経済圏のユーザーがファミリーマートでも利用する、またはその逆という相互送客に加え、「オンラインとオフラインのシームレスな繋がりが実現できる」と楽天グループの三木谷浩史会長兼社長はアピールする。
ファミマで楽天SPUが18.5倍に
楽天では、楽天市場を中心に70以上のサービスを提供しており、実際に楽天で買い物をしているアクティブユーザーは月間4588万人に達している。楽天の2サービス以上を利用するクロスユース率は77.1%で、多くの人が複数のサービスを使っている。
その楽天サービスの利用で貯まる共通ポイントである楽天ポイントは2002年から提供を開始。すでに累計で5兆ポイント以上をユーザーに還元しており、2016年からは複数サービスの利用でポイントを加算するSPUを開始し、通常で+1倍、楽天カードで+2倍、楽天モバイルで+4倍、合計7倍というポイント還元を実現している。
当初最大7倍だったSPUも、現在は最大18倍の加算率となり、楽天市場ユーザーが使うサービス数は10年前の2.8倍になったという。同社では、お得になることで利用サービスが増えていると話す。
このSPUは、楽天サービスのうち16のサービスを利用すると加算されるが、これまではすべてグループ内のサービスにとどまっていた。今回、初めてグループ外としてファミリーマートが参画することになった。
ファミリーマートは、大手コンビニエンスストアとして全国に16000店舗を展開。このオフラインのリアル接点を生かして、1億ID以上を有する楽天IDのユーザーに対して訴求を図っていきたい考え。ファミリーマートのエグゼクティブ・ディレクターCMOの足立光氏は「楽天というデジタル経済圏との融合で、強力かつ継続的なファミマへの来店動機の創出ができ、継続的な売上の創出ができると確信している」と期待を寄せる。
楽天グループの取締役副社長執行役員グループCMOの河野奈保氏は、「最強ポイ活」と表現し、ファミリーマートの参画で対象サービスが17、最大18.5倍となったSPUの魅力を強調。「常に高倍率のポイントプログラムを提供できるのは、楽天経済圏ならでは」だとアピールする。
オンラインとオフラインの融合を狙う
SPUの対象となるには、ファミリーマートで月間3,000円以上の利用が必要となる。仮に対象となった人が楽天カードと楽天モバイルのユーザーで、楽天市場において月間3万円の買い物をした場合、常時7.5倍の還元率となり、ポイント獲得数は2,280ポイントになる計算。楽天モバイルの場合、データ容量20GBまでは月間2,178円(税込)となるため、ポイントで支払えば実質無料で20GB使える、と河野氏は話す。
今回の仕組みでは、毎月3,000円をファミリーマートで使う必要があり、なおかつ月間還元上限は500ポイントまでの期間限定ポイントに限られる。ただ、例えば毎日コンビニで買い物をする人が、同じ距離だったらファミリーマートを使うといったように、来店機会の拡大に繋がる可能性はある。その際にファミリーマートが注力するデジタルサイネージなどで購入を促すことで購買頻度の拡大も狙えそうだ。
楽天側にとっては楽天経済圏の魅力拡大に加え、ファミリーマートの購買データが得られるというメリットもありそうだ。
ファミリーマートの足立氏は、同社が実施している「おむすび」などの商材における大型キャンペーンに匹敵する効果があり、さらに常時効果があると見て強い期待感を示す。
当初はSPUでの連携協力で、まずはこの連携の結果を見て、楽天の河野氏は結果次第ではさらなる連携強化も期待する。例えば楽天市場の商品のオフラインへの展開のような連携も検討していきたいとしている。「成功したらその先を考えたい」と河野氏。
ファミリーマートでは、特定の共通ポイントに偏らない「マルチポイント戦略」は堅持する考えで、今回の連携強化が成功すれば、他社とも是々非々で検討していくとしている。
足立氏はファミリーマートの戦略として、「これまでもリテールメディアなどのまったく新しい経済圏を推進してきた。単なる物販の場にとどまらず、経済圏をつなぐ重要なハブになっていく」との考えを示し、「ネットとリアルの融合によって、この方向性をさらに推進できる」と話し、重要な提携であることを強調していた。






