過労自殺しかけた経験を描いた書籍『「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由』の著者である汐街コナさんが、会社から身を守るための処世術などを紹介する漫画連載「会社につぶされないために」。今回のテーマは「誰だって休むときは必要なのに」です。

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これは「夫が家計、妻が家事育児」という役割分担の名残だと思います。

今でも根強く残る価値観ですが、共働きが増えたこと、また育児や介護を取り巻く環境や考え方が変わってきていることなどから、完全な役割分担はもう不可能に近いと思います。

にもかかわらず、いまだ「外で働く人間は滅私奉公の精神が必要」という価値観だけが残ってしまった印象です。そのため、出産する女性だけでなく、様々な事情で「滅私奉公ができない人間」は、社会からはじかれてしまいます。

私が勤めていた会社では、産休育休をとる女性は当然いましたが、男性でも育児や介護で休まざるを得ない人はいましたし、本人のケガや病気で急遽の長期休養が必要になることもありました。

出産以外は、男女も独身既婚も関係ありません。誰にでも起こりうることです。

もう「プライベートをすべて犠牲にして長時間労働をする」働き方を前提とした社会は、継続できない段階に来ていると思います。

「女は産休育休をとるからダメ」ではなく、「誰でも必要な休みをとれる組織作り」をしていかないといけない時代なのでしょう。