「最適なスーツの値段がよく分からない」というお悩みを20代のビジネスマンからよく聞きます。スーツを選ぶとき、まず気になるのは値段ですが、スーツの価格帯はショップ毎に隔たりが大きいからです。

セレクトショップ・百貨店では8万円台のスーツが売れ筋と言われていますが、THE SUITS COMPANYなどのツープライススーツ量販店では3万円台のスーツが並んでいます。費用を抑えたいけれども、安っぽく見えてしまってはコスパが良いとは言えません。一体どんな違いがあるのでしょうか。

今回は『38歳からのビジネスコーデ図鑑』(日本実業出版社)の著者が、「1週間乗り切れるスーツ」についてお伝えします。

  • 値段によるスーツの違いとは?(写真:マイナビニュース)

    値段によるスーツの違いとは?

スーツ生地は、ハイスペックの時代へ

「ウォッシャブル」「防シワ」「接触冷感」など、機能性がうりのスーツを、私はハイスペックスーツと呼んでいます。そのネーミングの由来は従来の天然繊維素材に化学繊維を混ぜたことによるプラスアルファです。実用性が高く人気ですが、生地感は天然繊維素材に劣り、「安っぽく見える」ことが欠点です。

ポリエステルを混ぜて強度を高められたスーツは20年ほど前から販売されていますが、少し前までは日陰の存在でした。天然繊維特湯の光沢がもたらす高級感と比べると、化学繊維スーツ=安っぽいと捉えるビジネスマンが多かったからです。

ところが、そんな常識を覆す、見た目の印象と実用性を兼ね備えたハイブリッドスーツがあったのです。

イタリア・ビエラ地区にある織物の専業メーカーREDA(レダ)のウール100%生地は、線をカットし衣服内側の温度が上昇することを防ぎます。セレクトショップ・百貨店のみならず、ツープライススーツ量販店でも取り扱われています。

着心地とスタイリッシュの両立

実証実験によると、温度上昇を防ぐ加工により、一般的なウール生地に比べ表面温度を8℃低い状態を維持できたようです。汗ばむ季節も快適に過ごせるようやや薄手の仕上がりのため、春・初夏・秋という3シーズンを楽しめます。

また、ウエストを高めの位置でシェイプさせた、モダンとクラシックを両立させたエレガントなシルエットも特徴。THE SUIT COMPANY,、SUIT SELECT、P.S.FA、ORIHICA、ONLYに代表されるツープライススーツ量販業界が登場し、およそ20年。「スーツは身体に合わせジャストサイズを選ぶ」という考え方が定着しました。

つまり、価格を問わず、どこで購入してもピタッとした細身のスーツが手に入ります。たとえ、ガッチリした体格でも、「身長」「横幅」を軸に選び、スーツの型紙さえ合えば着痩せして見せることができるのです。

ピタッとしたスーツを着ることで、ビジネスマンの基本である清潔感は十分出るでしょう。そういう意味では、20代若手のうちは3万円台のスーツをジャストサイズで着るだけで十分です。

年齢やポジションがあがったとき、8万円台の高級感あるスーツが選択肢に挙がると私は考えています。ちなみに、ハイブリッドスーツを選ぶ時、何色がいちばん使い勝手が良いのでしょうか。

ネイビーの色で差別化を図ろう

ビジネススーツで真っ先に買うべきはネイビーです。リクルートスーツは黒が主流と言われていますが、ビジネスの場においてはネイビーが主流と言われています。紺色は色彩心理学においても「重厚感」「信頼」の色。まさにビジネスシーンに最適なのです。

そして、ネイビーが大きく分けて3種類に分かれることは意外と知られていません。重厚感を出すならば、黒に近いダークネイビー。エネルギッシュで活発な印象を出すならば、青みが強いライトネイビー。また、親しみやすい印象を出すならば、グレイッシュネイビーです。

違いをわきまえたビジネスマンが紺色を着用しているにもかかわらず、同じに見えない理由は、「紺の色味を使い分けている」からだったのです。

  • 最初に買いたい「ネイビー×ブルー」(税込41,800円) 提供:THE SUIT COMPANY(青山商事)

    最初に買いたい「ネイビー×ブルー」(税込41,800円) 提供:THE SUIT COMPANY(青山商事)

ハイブリッドスーツにおいても3色用意されているうち、2色がネイビーです。黒に近いダークネイビーは堅い印象を与え、グレイッシュネイビーは親しみやすさを強調します。

また、ビジネスシーンでよく見掛けるピンストライプがやんわりと配されていることで、グレイッシュなネイビーも印象に奥行きが出ます。

  • ピンストライプが配された「ブルー×サックスブルー」(税込41,800円) 提供:THE SUIT COMPANY(青山商事)

    ピンストライプが配された「ブルー×サックスブルー」(税込41,800円) 提供:THE SUIT COMPANY(青山商事)

紺色スーツに合わせるネクタイの色

紺色スーツはネクタイの守備範囲が広いことが特徴です。こげ茶のような渋めの色から、ピンクや水色といったカラフルな色も合います。もし20代なら青色を合わせることも良いです。

青は誠実を、オレンジはエネルギッシュな若々しさを、こげ茶は論理的な説得力をアピールできるなど、色彩心理学で考えるのも面白いでしょう。

著者プロフィール: 森井良行(もりい・よしゆき)

エレガントカジュアル 代表取締役
20代後半から40代の男性のファッションを「エレガントカジュアル」でワンランクアップさせる「服のコンサルタント」。 街のセレクトショップを歩き、顧客に試着を繰り返してもらいながら、その人に最も似合う服を探していく独自の「買い物同行」は9割以上の高い満足度を誇る。ツイッター「@elegant_casual」

著書『38歳からのビジネスコーデ図鑑』 (日本実業出版社)