スポーツ庁が2017年10月に「FUN+WALK PROJECT(歩きやすい通勤プロジェクト)」を提唱したころから3年、スニーカー事情は大きく変わりました。

星の数ほどあるカジュアルスニーカーの中から、オフィスに耐えられそうなデザインを探す必要があった当時に比べ、スニーカー通勤に対応したデザインされたものが一目瞭然。とはいっても、型によって着こなしの工夫も変わります。

私は、オフィスに最適なスニーカーを「ハイブリッド型」、「ボリューミー型」、「オーソドックス型」3つに分類しました。『38歳からのビジネスコーデ図鑑』(日本実業出版社)の著者が、あなたに合うスタイルを踏まえ、「これさえ買えば『1週間乗り切れる』ビジネススニーカー」についてお伝えします。

  • スニーカーをスーツスタイルにうまく合わせたいと思いませんか?

ビジネス用スニーカーの特徴

運動靴をルーツとするスニーカー。どんなデザインでも合わせられる訳ではなく、ビジネスシーンに取り入れるためには工夫が必要です。ビジネスシーンに取り入れやすいタイプは、ここ1年で主流になってきた「ハイブリッド型」です。特に、定番のウールスーツに合わせるならばこのタイプです。

スニーカーソールに革靴のアッパーを載せたデザインによりスニーカー要素を軽減し、合わせる服装をさほど選ばない、革靴感覚で履けるスニーカー。とはいえ、ソールの色が切り替わっている場合、色に気を付ける必要があります。

革靴は黒・茶など1色だけで構成されていますが、スニーカーはアッパーとソールの色が切り替わるデザインもあります。そこで、スラックスとアッパーの色を寄せれば、スニーカーがやたら主張する印象を避けられます。

  • 「DESCENTE別注 ニットスニーカー 黒」(税込1万7,600円) 提供:THE SUIT COMPANY(青山商事)

やりがちな失敗例が、色を気にせずスラックスを合わせてしまうこと。足元の色数が増えて、印象が散らかってしまうのです。では、いかにもスニーカーなデザインを選ぶ場合、どんな工夫が必要なのでしょうか。

ダッズスニーカーはインナーで工夫する

ぱっと見の印象が同じように思うジャケットスタイルであっても、合わせるインナーひとつで印象は大きく変わります。合わせるスニーカーの許容範囲も、同じようにインナー次第で変わってきます。「ボリューミー型」スニーカーを選ぶ場合、インナーにひと工夫が必要なのです。

日曜日のお父さんが履いているような一見野暮ったく見えるスタイルから、「ダッドスニーカー」と呼ばれるボリューミーなスニーカーはラグジュアリーなハイブランドも展開するタイプで、スニーカーブームの流れも相まって注目が集まっています。

これをオフィスで履きこなすならば、カジュアル寄りのオフィスコーディネートが必要です。例えば無地の白Tシャツにセットアップ。このタイプのスニーカーは、シャツインしたジャケットスタイルでは野暮ったく見えるからです。

  • 「VESBA SHOES ダッドスニーカーベージュ」(税込1万9,800円) 提供:THE SUIT COMPANY(青山商事)

とはいっても、Tシャツが許容される会社は職種も含め、限定されてしまうかもしれません。では、ネクタイとシャツインした正統派ビジネススタイルにスニーカーを取り入れたい場合は、どうすれば良いのでしょうか。

オーソドックスなスニーカーには明るいジャケット

ネクタイを締めたジャケパンに合うスニーカー通勤で紐タイプのオーソドックスなスニーカーを選ぶ場合、私は黒・茶ではなく白をお勧めします。

  • 「adidas ADVANCOURT BASE スニーカー白」(税込6,039円) 提供:THE SUIT COMPANY(青山商事)

スニーカー通勤を行うとき、スニーカーを悪目立ちさせない工夫として、革靴同様の黒を選ぶビジネスマンが多いのですが、これでは名刺交換をする距離においてスニーカーが目立ってしまいます。

この違和感を消すため、革靴に印象を寄せるのではなく、スニーカーを主役にしたオフィスカジュアルスタイルを私は提案しています。白いスニーカーを違和感なくジャケットになじませるためには、足元同様、ジャケットの色も明るくする必要があります。

例えば、ジャケット&パンツスタイルで見掛けるベージュ・ブラウン系ジャケット。ビジネスシーンの定番色は紺・黒・グレーですが、これらの色では白スニーカーが目立ってしまう危険性が高いのです。

そこで明るいジャケットに合わせることで、白スニーカーも全身になじみます。このとき、ネクタイもカジュアル要素を加えたいので、ニットネクタイや季節によってはウールネクタイを合わせるとバランスが良いでしょう。