• コワーキングスペース「teraco.」のコミュニティマネージャー、奈良美緒さん

東京から電車で1本のところにある、山梨県都留市。今回は、緑豊かなこの街で、地域おこし協力隊として活動されている、奈良美緒さんをご紹介します。

都内で人材教育コンサルティング企業の人事担当として勤務したのち、都留市での古民家ゲストハウスの立ち上げ・経営を経て、今はコワーキングスペース「teraco.」でコミュニティマネージャーをされています。

新しい夫婦の形、2拠点週末婚

奈良さんのプロフィールの中で一番気になったのは、「2拠点週末婚」。

現在の夫、大輔さんとは東京のコーチングスクールの受講仲間として出会いましたが、当時はそんなに意識することはなく、Facebookでつながっているだけという関係性だったそうです。

事が動き出したのは、奈良さんが「ゲストハウスを開きたい」と思ったとき。真っ先に手を差し伸べてくれたのが、大輔さんでした。

  • 奈良さん夫婦、とても楽しそうです!

奈良さんの都留市への想いを、人一倍理解していた大輔さん。当時、結婚しても東京に戻る選択肢がなかった奈良さんの意思を尊重してくれ、「平日は都留市で活動」「週末は都留市か東京で夫と生活」という2拠点週末婚のスタイルが確立したそうです。

田舎フリーランス養成講座

そんな奈良さんが地域おこし協力隊として力を入れているのは、「田舎フリーランス養成講座」略して「いなフリ」の開催です。

地域に1カ月間滞在し、フリーランス体験を行うプログラムで、具体的にはライティング、アフィリエイト、デザイン、サイト制作などの内容を学ぶ場を提供しています。3年前に千葉県で始まった講座ですが、現在は8つの都市で開催されています。

  • 「田舎フリーランス養成講座」の様子。この日はWordPressについて講義

講座期間中、受講生はシェアハウスに住み、共同生活を送りながら切磋琢磨します。私も実際見学させてもらったのですが、受講生も講師もみなさんキラキラしていて、夢や目標に向かって頑張っている姿が印象的でした。

  • 夕食も受講者みんなで作ります

平日の夜ごはんは当番制になっていて、みんなで作って食べるという習慣になっているようです。とてもアットホームで、見ていて温かい気持ちになりました。このような時間は、仕事の生産性の向上や、仲間との絆を深める上でも大切なことだと感じました。

人生の選択肢を増やしたい

奈良さんに今後のビジョンについて伺ったところ、「都留市の人たち、都留市に来てくれる人たちの、人生の選択肢を増やしたい」とおっしゃっていました。

いなフリも、自身が率先して2拠点生活を送ることも、「そういう生き方もあるんだ」「もっと自由に生きてもいいんだ」という考え方を、人々の中に増やしたいという想いからくるものだと感じました。

山梨県と東京都の2拠点生活を楽しんで送っている、奈良さん。現在は第一子を妊娠されたとのことで、今後のライフスタイルも気になるところです。

  • 奈良美緒さんがコミュニティマネージャーを務めるコワーキングスペース「teraco.」

南谷有美(なんや・ゆみ)

カメラマン/ライター
2018年4月に認可外保育園の園長を退いてから、各地を巡る旅人に。リモートで仕事をしながら、好きな場所で好きなことをして生活しています。