30代は人生の節目といわれています。仕事で大きなポジションを任されたり、結婚したり、子どもを持ったり。自由にお金を使える20代と違い、30代はライフイベントに応じたお金の使い方を考える必要があります。今回は、学資保険に関する悩みを紹介します。

「1人目の子どもは学資保険に加入したが、2人目も入ったほうがいいのか?」(37歳/男性)

  • 子どもの学資保険について悩むことはありますか?

第二子は余裕がない

我が家もそうでしたが、第一子の場合は離乳食やアルバムやイベントごともちゃんと用意するのですが、第二子になると上の子供にも手が掛かるので時間的余裕もなくなり気がつけばあっという間に1年が経過していた……なんて、よくある話ですよね。

実は教育費準備のための学資保険も二人目の場合はうっかり加入し忘れる事は非常に多いようです。あらためて教育費の貯め方についてしっかり確認する機会として考えてみましょう。

学資保険とは

まずは学資保険についての簡単におさらいです。色々な保険会社等が学資保険を販売していますが、大体はお子様の中学・高校・大学等の進学時期に進学金や満期金を受け取れる仕組みになっており、契約者の万一時には保険料の払い込みが免除されたりする保障機能が付いている保険になります。(商品によっては、お子様の医療保険や育英年金が付いているものもあります)。

学資保険を加入される主な目的は「将来かかるであろう教育費の準備」かと思います。では、教育費は今後どう変化していくか? といった事を考える事が非常に大切なステップになってきます。

教育現場の変化とは?

我々親世代が子どもだった頃と比べると、中学受験をするお子さんがとても増えています。その背景には夫婦共働きの世帯が増えた事で、子供が親が帰宅するまでの放課後の時間の過ごし方の1つとして塾がある事です。また高校も少子化の中、募集人数の定員割れを避けるためにも各校特色を打ち出しています。夏季休暇を利用した海外留学も非常に増えてきております。

そもそもに、文部科学省は国際能力の高い教育をしようと打ち出していて、東京オリンピックのある2020年から公立小学校でも小学3年生から外国語活動が導入されます(一部の学校では2018年から導入ずみ)。

そのようなことを考えると、今お生まれになった0歳のお子さんが7年後に小学校に入学される頃、13年後に中学校に進学される頃を考えると留学が当たり前になっているかもしれません。

教育費の上昇について

自分のお子さんが国立大学に進学してくれると費用の面でも嬉しいですよね。ですが、その国立大学の授業料についても、年々上昇しています(人件費や研究費の値上がりや、補助金の見直し等により)。文部科学省のデータによると、年間の授業料は平成元年と比較すると約1.5倍以上上昇しています。

さらに私立大学となると、1.62倍の上昇率です。ですので、教育費の準備も現在の授業料ではなく今後も教育費が上昇する事を想定しながらプランを考える事が大切になってきます。

どんな作戦が良いのか?

ここまで将来の教育費について想定しうる現状をお伝えしてきました。では、具体的にどうすればいいのか? といったことですが、実は人生の大きな支出は教育費だけではありません。人によってさまざまですが、住宅購入があったり、教育費があったり、さらに老後の生活といった大きな支出があります。

その中の教育費だけをピックアップして考えてしまうと、たとえばお子様の大学卒業後に自分たちの老後資金が不足してしまい将来的には親の仕送りを子どもに頼る事になってしまった……ということも十分にあり得ます。

ですから、くれぐれも気をつけていただきたいのは、自分たちのライフプラン全体をまずは確認してみることです。その上で、教育費はどんな方法がいいのか検討してみてください。学資保険もいいですが、勤務先の財形貯蓄が利率が良かったり、投資信託で教育費を貯めたりするなど、方法はいろいろあります。

かわいいお子様のために、自分たちが今からできることを頑張りつつ(でも無理はし過ぎない程度に)全体を通したライフプランが「自分たちらしい生き方」になるように、しっかりと計画していきましょう。

執筆者プロフィール : 佐藤衣織(さとう・いおり)

ソニー生命保険勤務。
ファイナンシャルプランナー(AFP・2級FP技能士)、住宅ローンアドバイザー(住宅金融普及協会認定)、相続診断士(相続診断協会認定)、2019MDRT成績資格会員。
保険だけでなく、家計分析や資産運用、住宅購入や相続のアドバイス、企業の財務コンサルティングなどを多数手掛けている。