ここのところのコロナショックで、相場は大荒れです。儲け時と思いきや、結構な振れになかなか儲からないということが起きているのではないかと思います。そこで、大相場でのトレーディングについて、お話ししたいと思います。

あああ

大相場になると、通貨ペアによっては、日に500ポイント以上も動く通貨ペアも現れます。

  • ポンド/ドル 日足(イメージ)

この荒波の中でいかに儲けるかということが、きわめて大事になります。相場が動いたほうが儲かるとは言っても、これだけ荒っぽく動かれるとなかなか儲かりません。

よしんば、トレンドに則したポジションを持っていても、利食いが早すぎて、皮の部分を儲けても、分厚い実の部分は、指をくわえて見逃すこともありうることです。

そこで大事になることは、大相場だと自らを諭し、動じずにポジションを持ち続けるか、そうでなければ、どんどん利食っていくことだと思います。

動じずにポジションを持ち続けるということは、実は相当にしんどいものです。動じずに持ち続けるということは、大きな反転があっても、こらえてポジションを持ち続けるということです。そのプレッシャーたるや、相当のものです。

しかし、今回のドル/円相場のように11円落ちて10円戻すような相場では、こらえて持っていた意味がありません。

  • ドル/円 日足(イメージ)

そうなると、どんどん利食うということが、一番合理的だと思います。

これには、逸話があります。

私は、もともと長期のポジションをキャリー(持っていく)するトレンドディーラーだったのですが、ここが目標点と決めてポジションを持っても、相場はなかなか真っすぐには進まず、上げたり下げたりしながら、例えば上げ相場であれば上がっていきます。

そこを結構な金額のポジションを持っていくわけですから、逆にいけば、そのまま落ちるのではないかとか、ハラハラドキドキでした。

そんなある日、友人のできるディーラーに、自分のトレーディングスタイルを話したところ、「そんなことしちゃだめだよ。疲れるばっかりだよ。俺なんか利食いが大好きだから、利食えればどんどん利食っちゃうよ」と言うので、まさに目からウロコでした。

それからは、やり方を利食い大好き方式に切り替えました。それによって、なによりもよかったのは、疲れないことです。なぜなら、我慢せず、どんどん利食っていくからでした。トレーディング本来の、利食いの楽しさを思い起こさせてくれました。

特に、今の相場のように先の読めない相場では、どんどん利食っていくことが大事だと思います。

それは、リスクと時間の関係からも言えると思います。リスクは時間が長くなれば長くなるほど大きくなります。ですので、リスクが大きくなっているときは、時間の経過によるリスクの増幅度は極めて大きくなり、つまり、きわめてリスキーになるわけです。

ですから、リスクを持つ時間を「利食いが大好き」とどんどん割り切ってゲットアウト(手仕舞い)することは、理に適っていると言えると思います。

私の36年のトレーディング人生の中でも、過去、1985年のプラザ合意、1987年のブラックマンデー、1998年のLTCMの破綻、2008年のリーマンショックが、記憶に鮮烈に残る大変動でした。

確かに、いずれもマーケットはパニックには陥りましたが、その後、マーケットは乗り越えてきています。その意味では、今回のコロナショックも、マーケットは結局は乗り越えていくものと見ています。

ただし、その動乱の時期は「利食いが大好き」と割り切り、未練残さず、どんどん利食っていくことが大事だと心から思っています、

なにしろ、その時点では先のことはだれにもわからないのですから。

ストラテジスト 水上紀行

バーニャ マーケット フォーカスト代表。1978年三和銀行(現、三菱東京UFJ銀行)入行。1983年よりロンドン、東京、ニューヨークで為替ディーラーとして活躍。 東京外国為替市場で「三和の水上」の名を轟かす。1995年より在日外銀において為替ディーラー及び外国為替部長として要職を経て、現在、外国為替ストラテジストとして広く活躍中。長年の経験と知識に基づく精度の高い相場予測には定評がある。なお、長年FXに携わって得た経験と知識をもとにした初の著書『ガッツリ稼いで図太く生き残る! FX』が2016年1月21日に発売された。詳しくはこちら