世界のエアラインランキングで知られる英国のスカイトラックス社から、このところ立て続けに高い評価を受けアジアの航空会社の中でどんどん順位を上げているガルーダ・インドネシア航空。民族衣装サロン・ケバヤに身を包んだクルーに機内の仕切り壁は田舎の村でよく見かける竹で編んだ壁をイメージしていたりと、機内にいながらにしてインドネシアらしさを感じられることも高評価の理由のひとつに違いない。

ビールだけでもバリ島気分! すっきり軽いビンタンビールは現地でも何度となくお世話になる味

そんなガルーダ・インドネシアだから、機内食もインドネシア風を……と思っていたが、この日のデンパサール行きフライトでは残念ながらインドネシア風は人気があり、売り切れ。和食しか残っていなかった。というわけで、和食をいただくことに。日本路線ゆえに和食なわけで、これはこれで特別と言えば特別だ。

シンプルながら香りを楽しむメニュー

どうやらインドネシア風が肉、和食は魚だったもよう。メインは白身魚の和風あんかけで、ゆずの皮がアクセントに添えられている。付け合わせの大根の和え物もシソがぱらりとかかっていて、ほんのりといい香り。全体的に和風ダシの味付けだが、こうしたアクセントのおかげで味に変化があり、和食らしい和食だ。

ザ・機内食の和食。機内では五感が鈍るというが、ダシもユズもシソも、ちゃんと香りを楽しむことができた

ちなみに、ちょっとかたまり気味のそばも実は嫌いではない。つゆをかければすぐにほぐれ、つるりといただける。デザートが人形焼きなところも、なんだか東京路線らしくていいのではないだろうか。

つるりと収まるおかゆの優しさ

帰国便は深夜のフライトとなるため、最初に出てくるのはスナックだ。コンビニなどで買えそうなホットスナックで、パイ生地の中にポテトとチキンが包まれている。ネギのような香味野菜も少し感じられ、パイ生地が若干厚めではあるものの、おやつ感覚でパクパク食べられる。真夜中にいただいても、胃袋への負担も少ないに違いない。

ペストリーはジャガイモのほっくり感もあり、軽めとは言えお腹にたまる感じあり。朝までもつ

そして、帰国便のメインとなるのは朝食。こちらは迷わずおかゆをチョイス。アジア系エアラインでよく見られる、そぼろ肉や卵が入った具入りのおかゆだ。塩味の効いたおかゆと具の味がうまく混ざり、卵部分とそぼろ部分で違った味が楽しめる。スープよりもゆっくりと喉を通過するので、乾燥する機内では本当にありがたい。そして、そばはもちろん、安定のかたまり気味である。

ヤクルトがついているのはあまり見ないような……。全体的にするりと胃に収まるシンプルメニュー。でもすごくうれしい

ビジネスクラスのインドネシア料理も人気

今回はエコノミークラスだが、実はビジネスクラスでは軽食にナシゴレン(焼きめし)やサテ(串焼き肉)など、インドネシア人シェフによってプロデュースされた本格的なインドネシア料理がいただける。それゆえ、エコノミークラスのインドネシア料理も人気が高いと思われる。

往路では近くの席にいた男性が、インドネシア料理が売り切れと聞くと狼狽して大騒ぎしていた(困ったちゃんである)が、そのような事態を避けるためにも、搭乗したらすぐにインドネシア料理を希望する旨を、CAさんに伝えるといいかもしれない。もちろん、搭載数には限りがあるので必ず対応できるとは限らないけれども。

※記事中の機内食は、2017年4月の成田=デンパサール線で提供されたもの