羽田・成田・関西からインドネシアへ直行便を運航中のガルーダ・インドネシア航空。2014年に英国の格付け会社スカイトラックス社から「The World's Best Airline Cabin Crew」を受賞、同年の12月には同社のエアライン・スター・ランキングで最高評価「5スター」を獲得している。そこで今回、ビジネスクラスに搭乗し、その5スターの実力を体験してみることにした。

フライトアテンダントの色鮮やかな制服は、インドネシアの民族衣装「サロンケバヤ」。ガルーダ・インドネシア航空の機内からインドネシアタイムが始まる

インドネシアの伝統柄が機内を装う

成田線には2014年より、新世代の機体B777-300ERを使用。ガルーダ・インドネシア航空では総じて、インドネシアの文化や伝統をベースとした"五感で感じるインドネシア"をテーマにサービスを展開している。まず機内に乗り込んで目に入るのが、ユネスコの世界無形文化遺産にも登録されている「バティック」柄があしらわれたシートだ。このバティックはフライトアテンダントの制服にも採用されている。

また、機内のパティションには、インドネシアで多用される竹を編んだ模様「ゲデック」が用いられている。深みのある独特の色合いのシートといい、フライトアテンダントの鮮やかな制服といい、乗り込んだ途端、インドネシアな世界に目を奪われる。

バティック柄のシート。ビジネスクラスはフルフラットになる

ビジネスクラスのアメニティキットはロクシタン製

リクライニングシートは身長172cmでも足元も余裕。マッサージ機能もある

体内時計を調整できるよう機内のライティングにも配慮。夜便の天井は星空に

本格的な味を大切にする"シェフのおもてなし"

お楽しみの機内食は、インドネシア料理・和食・洋食からチョイス。特筆すべきは、専任シェフが機内で腕を振るう「シェフ・オン・ボード」、つまり、シェフも搭乗しているのだ。皿ごとに丁寧に盛り付けされるため、見た目にもおなかにも至福の時間を楽しめる。

日本発は昼便なので、機内ではなかなか寝られないという人もいるだろう。しかし、軽食が充実しているので心配ご無用! フレッシュハーブが香り高いインドネシア名物「サテの盛り合わせ」は、機内にいながら本場の味が楽しめる。ひそかに日本人に人気なのが、「海老の天ぷらうどん」だ。絶妙なやわらかさの麺とだしのきいたスープが味わえる。シェフがいるため、食べたい時にオーダーできるのもうれしい限り。

日本線には日本人クルーも搭乗

シェフによる最後の仕上げで見た目でも楽しめる料理に

インドネシアの朝食。インドネシア風フライドチキンとココナッツライス

和食には旅館風懐石も登場し、本格的な味が楽しめる

洋食もチョイスできる(前菜: タスマニア産スモークサーモン)。テーブル用のナプキンはアジアをイメージさせる麻を使用

美しすぎるユニフォームと笑顔でおもてなし

フライトアテンダントの制服は、民族衣装「サロンケバヤ」をモチーフとした色鮮やかでエキゾチックなデザイン。女性のフライトアテンダントが着用する巻きスカート「サロン」にも使用されているバティック柄は、「かぐわしい命の輝き」を意味する"parang gondousuli"という模様からインスピレーションを得ている。制服自体、色鮮やかで美しいのだが、全てオーダーメイドで支給されているため、一人ひとりのシルエットや立ち居振る舞いの美しさが際立って見える。制服は4色あり、担当によって色分けがされているようだ。

インドネシアの伝統が詰まった制服は、その色鮮やかさも相まって旅心をかき立ててくれる

美しさに輪をかけているのが、「クロワッサンヘア(夜会巻き)」と呼ばれる髪型。ほとんどピンを使わない技術が必要なのだが、ヘア・メイクの研修に参加し1日かけて習得する。頭から足の指先まで一切の手抜きなし。

ちなみに、オーダーメイドのための採寸は入社の一度きり。それ以上に体形が変わらないように努力も必要なのだそう。凛(りん)としたたたずまいと柔らかな笑顔、このギャップこそ"インドネシア的おもてなし"かもしれない。

1日かけて習得するという「クロワッサンヘア(夜会巻き)」にも注目

空港で見かけた時にも手を振ってくれる気さくさも

旅のお供もお土産もいっぱい引き連れよう!

冒頭で紹介した5スターを獲得しているのは、2014年時点でガルーダ・インドネシア航空を含め7社のみ。同社はビジネスクラスだけでなくエコノミークラスでも、人間工学に基づいて設計されたシートを使用しており、2013年のアワードで高い評価を得ている。

特に、「海外でいっぱい買い物がしたい」「自前のサーフボードでアウトドアスポーツを楽しみたい」などの荷物の多い人に注目してもらいたいのが、同社の幅広い無料受託手荷物サービスだ。通常、エコノミークラスだと23kgまでということが多いが、同社の国際線ではエコノミークラスでも46kg、ビジネスクラスとファーストクラスだと64kgまでOK。

そのほか、通常の受託手荷物とは別に、スポーツギアや楽器などをひとり1セット23kgまで追加料金なしで預けられる。詳しくはホームページを参照。自分のお気に入り道具を持ち込むもよし、現地の楽器や家具を持ち帰るもよし。特に人気のバリ島への直行便は同社のみが運航しているので、旅のお供もお土産もいっぱい引き連れて、リゾート旅を思う存分楽しんでいただければと思う。

2014年3月にはANAとコードシェアおよびマイレージ提携を開始。日本からの使い勝手がぐんと良くなった

※取材協力: ガルーダ・インドネシア航空
※記事中の情報は2015年3月取材時のもの