信用取引では、現物取引にはないコストが発生します。金利や貸株料、逆日歩など、最初は難しく感じる用語もありますが、仕組みを理解しておくことで、想定外の損失を防ぎやすくなります。

今回も、SBI証券の投資情報メディア編集部が、信用取引で発生する主なコストについて解説します。

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今回のコラムでは、信用取引にかかるコストについて解説したいと思います。

信用取引は、現物取引ではできない柔軟な売買ができる一方で、「お金や株を借りて取引をする」という性質上、現物にはない 金利や貸株料、逆日歩(ぎゃくひぶ)などのコストが発生します。 こうしたコストは、仕組みを理解していれば決して怖いものではありません。 むしろ、どんなときに、どんな費用がかかるのかを知っておくことで、 「思っていたより利益が減ってしまった」 「知らないうちにコストが増えていた」 といった失敗を防ぐことができます。

「知って始める」ことが、最大のリスク管理です。仕組みを理解したうえで、無理のない範囲で活用を検討してみてください。

信用取引でコストがかかる理由

信用取引を行う場合、建玉を保有している間に費用(コスト)がかかります。 なぜコストがかかるのでしょうか。

信用取引では、 買いの場合、お金を証券会社または証券金融会社から 売りの場合、株を証券会社または証券金融会社から それぞれ借り入れることになります。

そのため、借りている間にはコスト(お金の場合には金利、株式の場合には貸株料が)かかります。

その他にも、1ヵ月以上保有した場合は建玉を管理する管理費や、 買いの場合、株主としての権利確定日をまたいで買い建玉を保有すると発生する名義書換料などがあります。

信用取引で発生するコスト

信用取引では、信用取引区分(一般信用・制度信用)や、買い・売りなどによって、かかるコストが異なります。 一見複雑に見えますが、一度覚えてしまえばコストを把握しやすくなり、コストを把握しやすくなります。 信用取引で発生するコストを一覧にしましたので、ひとつずつ学んでいきましょう。

※1 日計り信用取引を利用する場合は、金利・貸株料0% 期限超過による強制決済が発生した場合は別途手数料が発生します HYPER空売りを利用する場合は、銘柄毎にHYPER料が別途かかります

※2 ETF/ETNは1売買単位あたり5.5円(税込)

金利・貸株料はどうやって計算するの?

それでは、信用取引の代表的なコストである金利・貸株料の計算方法について説明します。

金利・貸株料は、信用取引でお金・株を借りている期間(建玉を保有している間)に毎日発生するコストです。 具体的には以下の式で計算されます。

建玉金額×金利・貸株料率(年利)÷365日(1年)×日数

1 計算式

「建玉金額×金利・貸株料率÷365日(1年)×日数」について、具体的にご説明します。

建玉金額(信用で買い・売りをした価格×株数) 金利・貸株料率(証券会社が定める年率) 保有期間(お金・株を借りている日数)

日数は株を借りている期間を示し、365で割ることで年率を日割りに換算しています。 例えば、約定代金が100万円、金利が年2.8%、保有期間が10日の場合 信用金利は、100万円×0.028÷365日(1年)×10日≒767円となります。

2 日数の数え方

金利・貸株料の計算で使う保有期間(日数)は、新規建ての注文の受渡日から決済の受渡日までの両方を数える「両端入れ(りょうはいれ)」の方法によって計算されます。 これは、借りた日と返した日、両方の日数を含める数え方です。 なお、新規建てした翌日に返済した場合でも、実際に株の受渡日で金利・貸株料が計算されるので、約定日と受渡日の間に土日祝日が含まれている場合は、その期間も金利・貸株料が発生します。

3 支払いタイミング

金利・貸株料は、決済したときにまとめて支払いをします。 保有期間中は、保有建玉にかかる諸経費は支払予定の金額として管理されます。

コストシミュレーション

信用買いの場合

<例> 取引:信用新規買い(一般信用) 建玉金額:100万円(1,000円×1,000株) 保有日数:40日

※保有期間中に決算をまたぎ、配当金の受取権利も発生

ポイント

かかる費用は、保有期間に応じた信用金利、保有1ヵ月経過でかかる管理費、権利またぎで発生する名義書換料 逆に信用買いで権利をまたいでいるので配当落ち調整金を受け取れる

金利:100万円(1,000円×1,000株)×0.028(金利2.8%)÷365日×40日=3,068円 管理費:0.11円×10単位=110円 名義書換料:55円×10単位=550円 配当落ち調整金(受取):3円(1株あたり配当金)×1,000株=3,000円、3,000円×84.685%=2,540円

信用売りの場合

<例> 取引:信用新規売り(制度信用) 建玉金額:100万円(1,000円×1,000株) 保有日数:40日

※保有期間中に決算をまたぎ、配当金の支払義務も発生 ※保有期間中に1株5円の逆日歩が1回発生

ポイント

かかる費用は、保有期間に応じた信用金利、保有1ヵ月経過でかかる管理費 信用売りで権利をまたいでいるので配当落ち調整金の支払い、権利またぎのタイミングで売り需要が増加し逆日歩が1日分発生

金利:100万円(1,000円×1,000株)×0.011(貸株料1.1%)÷365日×40日=1,205円 管理費:0.11円×10単位=110円 配当落ち調整金(支払):3円(1株あたり配当金)×1,000株=3,000円、3,000円×84.685%=2,540円 逆日歩:5円(1株あたり逆日歩)×1,000株=5,000円 

※一般信用売りの場合は逆日歩は発生しません

担当者の一言メモ

コストを理解して、“守り” を意識した投資を心掛けましょう。 知識は投資を続けるうえで強い味方になります。

本稿は「投資情報メディア」からの転載です。元の記事はこちら
※2026年3月6日掲載記事

『投資情報メディア』より、記事内容を一部変更して転載。