「毎日のように怒ってしまう」「言うことを聞いてくれなくて困る」「夫(妻)と育児方針がかみ合わない」……などなど、育児に悩みは尽きません。特に、毎日忙しく過ごしている共働き夫婦なら尚更でしょう。ここでは、育児中のマイナビニュース会員に"育児の悩み"についてアンケートを実施。寄せられたお悩みに対して"どのようにすべきか"を、NHKの育児番組でキャスターを務めた経験を持ち、現在は育児のセミナー講師や書籍執筆なども行っている天野ひかりさんに、アドバイスしてもらいます。

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  • 子どもの「読解力」をUPさせるには?

    子どもの「読解力」をUPさせるには?

子どもの国語の成績が上がらない、物語の主人公の気持ちがわからない、テストの問題文を理解できていない……。今回は「どうしたら読解力がつくの?」というお母さんお父さんのご相談に、親子コミュニケーションアドバイザーがお答えします。

親は一方通行な"2つのことば"だけで会話をしがち

忙しい毎日、お子さんと目を合わせて会話をしていますか? 日本の子どもの読解力の低下が問題視されている今、「国語の成績を上げたい!」と考えると、つい教科書や本を読ませたり、ドリルをたくさんやらせたりすることに目が行きがちです。しかし、まずは子どもが考えるための会話を心がけましょう。「読む力」と合わせて「相手の立場になって考える力」を毎日の生活の中で伸ばす会話をお子さんとできるかどうかが大切です。

一般的にお母さんお父さんは、子どもに2つのことばしか使っていないと揶揄されています。1つは「早く起きなさい!」「残さず食べなさい!」「お片づけしなさい!」など「◯◯しなさい!」といった"指示することば"、もう1つは「ぐずぐずしないで!」「大声出さないで!」「こぼさないで!」など「◯◯しないで!」といった"禁止することば"です。

この"指示ことば"と"禁止ことば"しか使わずに1日過ごしてしまっていると言われています。あなたはどうでしょうか。もしそうであれば、これは会話ではありません。親から子どもへの一方通行のことばです。

なぜなら言われた子どもは、「はい」か「いや」の2択しかないからです。これでは、子どもに自分がどうしたいのか、何をすべきなのか、考える余裕を与えていません。とてももったいないことです。毎日の小さな積み重ねが、やがて大きな差に広がります。

子どもが自分で考えて行動できるようにするために、今日から"指示ことば"と"禁止ことば"を使わずに会話できるといいですね。

指示ことばを"提案"に変える

「でも、指示ことばと禁止ことばを使わなかったら、とてもじゃないけど収拾つきません!」とお母さんお父さんから悲鳴のような声が聞こえてきます。そこで、良いことばがあります。指示ことばの代わりに「Let's! ~、一緒に◯◯しようよ」へ言い換えるのです。「お片づけしなさい!」の代わりに「一緒にお片づけしようよ」と言ってみましょう。

この"提案することば"は、子どもが「ママが一緒にやるなら、やろうかな」や「今はやらないけど、後でする」など、考えて答える余裕を与えます。さらに子どもは、お母さんお父さんと一緒にすることが大好きなので、やる気にさせることばなのです。

そんなに違いがあるの? と思われるかもしれませんが、自分のことに置き換えてみると違いがわかります。

たとえば、今日も1日仕事に家事に大忙しで、やっとソファーに腰掛けたタイミングで夫(妻)が帰宅して「早く夕食作って!」と"指示ことば"で言われたら、カチンときますよね。

では「Let's」で言い換えてみましょう。「一緒に夕食作ろうか」と言われたら、どうでしょう? 「うん、私の気持ちになってくれたのね、作ろう!」とやる気もわいてくるのではないでしょうか。

同様に、子どももスマホやゲームしているときに「もう、早くお風呂に入って!」と"指示ことば"で言われたら、やっぱりカチンときますし、「Let’s」で言い換えて「一緒にお風呂に入ろうか」と言われれば、やる気になるのです。

ことばには力があります。何気なく言うことばを見直して、相手が考えられる会話づくりをできるといいですね。

禁止ことばには"認めることば"を添えよう

"禁止ことば"はどうでしょうか。まずは「いいよ!」を最初につけることがポイントです。たとえば「ぐずぐずしないで!」ではなく、「いいよ! 自分のペースがあるよね」など、子どもの行動を認めることばをかけましょう。

これまでお伝えしている通り、黙認は意味がありませんので、「いいよ」とことばにして認めます。そのあとで、「このままでは間に合わないから、急いででかけよう!」とこちらのお願いをことばにするのです。そうすれば認められたあとなので、案外素直にこちらのお願いを聞いてくれます。

「大声出さないで!」ではなくて「いいよ! 大声出せるってすばらしいことだよね」と認めたあとで、「でもここは病院の中で頭の痛い人やお腹の痛い人もいるから、小さい声でおはなししようね」とルールを伝えます。

もうお分かりのように、否定的なことばよりも、子どもが考えて行動しやすいことばをかけたほうが子どもの理解も早いのです。

机の上で本の中の登場人物に思いを寄せることも大切ですが、子ども自身の考える力や相手の立場にたって考える力を育むためには、毎日の生活の中で会話の大切さを見直してみるといいですね。