連載という形で「起業ってノーリスクハイリターンだよ。いきなりやるのが怖ければ副業で起業すればいいんじゃないの」という話をしてきましたが、今回は会社の居場所がない人ほど、起業すればいいのではという話をしたいと思います(注:題名はこうですが、決して私はいじめられてないですし、前職はとてもいい会社でした(笑))。

  • 異端児ほど起業?

    異端児ほど起業?

会社での異端児とは?

もちろん一口に異端児といってもいろんな人がいます。エネルギーが有り余りすぎている人、自分のやりたいことを社外でもどんどんやってしまう人、上司にたて突いちゃう人のようにポジティブな人もいれば、成果が出せなくてしんどい人や、人付き合いが苦手な人、社風に合わない人もいるかと思います(上司にたて突いちゃう人について、私はポジティブだと思っていますが……(笑))。

ポジティブなエネルギーに振れていようが、ネガティブなエネルギーに振れていようが、結局は「今の会社の社風・人・職務内容・ポジションに合っていない」だけ。たったそれだけです。私も会社に合っていなかったなと思っていますし、それが起業という形で飛び出てよかったなと思っています。

会社に合っていないことは「誰も悪くない」ことなのです。別に能力の問題でも人格の問題でもないのです。ただ単に、「合っていない」だけなのです。

みなさん一生懸命就職活動をして、その会社に決めたわけですし、上司は上司で部下にとって最適なポジションや仕事の仕方を提案しようとするわけですし、会社は会社で社員にとってもお客様にとってもいい状態を会社という組織の中で実現しようとしているわけです。 もちろんブラック企業は最悪ですが、大抵の場合、みんなが努力しているけどなんとなく噛み合わない状態、誰も悪くないのにみんな不幸状態が起こっているわけです。これは、とてももったいないですよね!

留学が人を変える理由

留学すると、「全然違う価値観を得られた」とか、「今の自分でいいんだって思えた」と人がよくいうのは、それまで同じ高校や同じ大学の中でしか生きてこなかった人にとって、まったく違う世界が広がっていることを認識できたからなわけです。

会社でもそれは同じです。高度経済成長後の「終身雇用」という洗脳が解けていない今の日本は、転職市場すら成熟しておらず、ずっと同じ集団や組織の中で価値観を合わせながら生きないといけないわけです。そりゃ閉塞感が出てしまいますよね。

オーストラリアのとある州政府の代表の方とお話させていただきましたが、「今の人達は仕事がなくても死ぬと思っていないよね? 昔は大企業に入らないと将来はないって思いながら就活していたよ。だから閉塞感があったんだよね。今は、起業とかにチャレンジできるし、失敗しても企業に就職することができるよね。日本はとてもいい環境になってきたのだから、留学でも起業でもどんどんチャレンジしてほしい」とおっしゃっていました。

留学や転職を経験している人は、違う世界が会社の外には広がっているということを俯瞰して認識できるので、自分の能力を活かす場所がどこなのかを探し続けることができますし、会社に向けても自分の能力を活かす方法を考え続けることができると思います。

もちろん、留学や転職を経験していなくても、そういうことができる人はたくさんいますが、もし自分が「ちょっと視野が狭いなぁ」と思う方がいたら、ぜひちょっとでもいいので、海外旅行のときに友達を作って、1週間の短期留学にでも行ってみてください。

異端児ほど起業しろ

会社で異端児ということは、「自分の能力全開で働けていない」ということです。会社の中で異動を希望するもよし。でも、もっといったら起業すればいいのです!

起業は、自分の能力を全開で働かざるを得ない環境ですし、能力全開で働けば必ず成功すると思います。成功しないのであれば、能力の活かし方が悪いので、すぐに別のやり方を試すべきです。

よく「適材適所」といいますが、しっかりと自己分析をして、自分の能力や社会でのポジションを理解した上での起業であれば、それは究極的な適材適所といえるのではないでしょうか?

ちなみに私の会社であるスパルタ英会話のメンバーはみんな異端児過ぎてどこでなにしてるかわかっていません(笑)(もちろんお客様と話をしてるスケジュールくらいはわかるのですが)。お客様のために能力全開で働いていてくれていることだと思います。

能力全開だとどうなるか。スパルタ英会話には、スパルタタイムというのがありまして、「1週間は1カ月、1カ月は1年」、そのぐらいに時間の変化を感じてしまいます。ベンチャーで働いてるとあっという間に時間が過ぎる一方で、毎日がとても刺激的で変化に富んでいるので、1カ月前の出来事だと思っていることがつい先週のことだったというのがよくあります。

1回きりの人生、チャレンジしてみましょう!

執筆者プロフィール: 小茂鳥 雅史(こもとり まさふみ)

株式会社スパルタ英会話 代表取締役

慶應義塾大学院卒業後、外資系証券会社モルガン・スタンレーMUFG証券に入社。退職後、NPO法人JAVO(ボランティア証明書発行機関)を発足。2年後、《語学で「夢はかなう」の実現》を理念とし、3カ月短期集中型の英会話教室を創業。わずか3年で4本のテレビ出演、 年商を3億円企業へ。会社規模を拡大させ、世界をひとつのビックファミリー にという想いのもと、語学、IT、金融、人材などの6つの会社を束ねる株式会社We&を設立し、代表取締役に就任。

■株式会社スパルタ英会話