「家事も育児も家計も全部ワリカン! 」バツイチ同士の事実再婚を選んだマンガ家・水谷さるころが、共働き家庭で家事・育児・仕事を円満にまわすためのさまざまな独自ルールを紹介します。第94回のテーマは「ケンカを避けるために…踊ってみよう」です。

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みなさん、おこもりしてますか。私はしています。それぞれのご家庭で事情が異なるでしょうが、我が家は家族でUNOをする機会が増えました……!

そんなわけで、家にいてできることをやるといえば……料理です。我が家はお父さんが炊事担当なので、基本的に私は炊事はしないのですが、「ちょっと変わったことがしたいな」と思って料理をしています。粉をこねて何かを焼く系のもの(お菓子とか、パンとか)は以前から私しかやっておらず、外出自粛生活になってからもあまり問題になっていません。なぜなら、パートナーが炊事をするタイミングと違うし、材料など使うものもあまりかぶらないからです。

なのですが……ついうっかり、昼食を作ってしまったんです。先日……。そしたら「調理具を洗うタイミングが違う」とかでイラっとされ(彼はフライパンなどは使い終わった瞬間に洗っておきたいタイプ。私は後から洗うタイプ)、最終的にイヤミを言われました……。

家事は、相手のテリトリーに入るべからず……。というのが我が家の揉めごと回避の鉄則なんですけど、同時に「食べたいものがあるなら自分で作る」というルールもあり、「昼食を作る」っていう相手のテリトリーに入ってしまったんですよね。この場合、まあ気を遣うべきはこちらだったのです……だったのですが……。

でも、イヤミなコミュニケーションって、よい結果に100%ならないと思うんですけど、いかがでしょうか? 「日曜日のお父さんみたい(たまにしかやらない人の家事って感じだよね、という意味)」と言われて、「ごっめーん★ テヘペロ」みたいなリアクションがとれるほど、私も徳を積めてないのです……すみません。

「んなこと言うなら、洗い物まで私にさせればいいじゃないですかーーー???」みたいな気持ちになりました。「洗ってくれてありがとう」とか「めんどくさい洗い物させてゴメン」とかではなくて、「そもそも洗ってくれとか言ってない」とか、そういう気持ちになりました……。

「言い方一つで結果が全然違う」というのは、我が家で共有されていることなんですが、なかなかうまくいきません。この後、話し合ったら「さっさと洗ってくれないから自分でやろうと思ったけど、自分とやり方が違ってイラッとした。その不満を怒りでぶつけるのはよくないと思って言い方を考えた結果、ああなった」と言われました。

なるほど……。「怒って言わない」というルールを守ってみた結果……イヤミになった……と。「怒って言わない」というのを守ってくれたのは評価したい。でも結局ネガティブな気持ちが出ちゃうと、結果的には揉めごとになりがちです。

前回にも書いたように、ネガティブな気持ちを「抑えて」もなかなかうまくいかない。「我慢」すると、結局どこかにそれは出てしまう。

そんなわけで「イライラよりもアゲアゲ」と同じように、もう……踊っちゃうのはどうだろう。というわけです。両者ともにストレスのぶつけ合いをするんじゃなくて、メンタルのモヤモヤをフィジカルで発散しつつ、昇華しちゃえ!! という方法です。怒るアホウにイヤミ言うアホウ、同じアホなら踊らにゃ損損♪(←ほぼやけくそ)

これ、我が家ではかなり有効なんですけど、オススメすると多くの人に「ハードル高い」と言われてしまいます。みんな、家族の前で踊れないんですね……。私は踊れます。やってみると楽しいですよ!

ストレスの多い生活で、子ども相手にイライラしてばっかりで、イヤだなあと思ったら踊ってみてはいかがでしょうか! 夫婦間でのコミュニケーションで踊るよりは、子ども相手のほうがまだハードル低いような気はします。

ちなみに、私は人の相談や愚痴を聞く機会があるのですが、最近この「踊る」ようなコミュニケーションは、力関係が弱いほうから強いほうへ向かってやるのは無理なんだ、ということに気がつきました。我が家は夫婦間の力関係は対等なので、私が踊れば向こうは笑ってくれるし、向こうも「コミュニケーションをよくしたい!」と思ったときは踊ってくれます。

我が家は子どもからの要求も「怒って言わない」ように常に言っているので、怒らず伝えられたら要求を聞いてあげるようにしてます。なので「○○してよ!!」と怒って言うところを、ぐっとこらえてかわいくお願いできたり、踊って伝えてみたりしたら「よくできたね!」と評価します。そういう前提がないと「ギスギスしないために、面白く伝えよう」みたいにはなれないんですよね……。

でも基本的なコミュニケーションが怒ったり、イヤミを言ったりしてしまいがちな人には、思いきって「踊りながら言う」みたいなのはアリなんじゃないかなあと思います。わき上がるパッションを使って……ちょっと面白い感じで……言ってみる……! 踊るの難しかったら、面白い顔で言ってみるとか……! ちょっとかわいくしてみるとか。自分でできる「怒る以外でポジティブに変換できそうな伝え方」と考えてみてほしいです。

ストレスフルなときだからこそ、家庭にユーモアは必要……と思ってしまうのは、私の過剰なサービス精神なのかもしれません。でも、イライラしたら踊るとか、家族で変顔の練習するとか「怒る以外の選択肢」を考えられるようにしていきたいなと思っています。

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全編書き下ろしエッセイマンガ!
バツイチ同士の事実婚夫婦にめでたく子ども誕生! ここから「家事と育児をどうフェアにシェアしていくか」を描いたコミックエッセイです。家事分担の具体的な方法から、揉めごとあるある、男の高下駄問題、育児はどうしても母親に負担がいってしまうのか、夫のキレにどう対処する? などなど、夫婦関係をぶつかりつつもアップデートしてきた様子を赤裸々に描きます。くわしくはコチラ