「家事も育児も家計も全部ワリカン! 」バツイチ同士の事実再婚を選んだマンガ家・水谷さるころが、共働き家庭で家事・育児・仕事を円満にまわすためのさまざまな独自ルールを紹介します。第109回のテーマは「パートナーのいいところ? 」です。

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  • 家事と育児と男と女

このコラムでも、パートナーと揉めた話をよく書いてる私ですが……。キレたり怒ったりするタイプが苦手な人にはとくにそういうエピソードの印象が強いらしく、「大丈夫なんですか」とか「イヤになったりしませんか」と言われることがたまにあります(直球で言われることは少ないけど)。

なので今回は、パートナーと「結婚してよかった」と思うところを紹介します。

もちろん、365日ずっと揉めてるわけではなく、むしろ普段は仲がいい方だと思います。我が家は夫婦揃って在宅ワークで、パートナーは炊事担当。つまり、私はパートナーが家にいる限り、朝・昼・晩と3食食事の面倒を見てもらっているのです。

それだけでもすごい!!! と思います。ちなみに私は、パートナーがいないときはコンビニご飯かカップラーメンです。最近、「若い人でも食生活がひどいと早死にします」という情報を見て、「パートナーがいなかったらもう死んでいたかもしれない」と思いました。とはいえ、掃除と洗濯は私の担当なので、パートナーの世話ももちろんしているのですが。

そういった生活面以外でも、「結婚してよかった」と思うことがあります。「『結婚してよかった』と思うとき」でも書いたのですが、私はパートナーに車を運転してもらうと、異常に「ウワー」と感動してしまうのです。

基本的に我が家のお出かけ先は「息子が喜ぶところ」。私は古墳が好きなのですが、「私だけ」が好きな場所は家族でのお出かけ先の選択肢にあまり入りませんでした。……しかし! ちょこちょこと古墳へ行くうちに、私の影響を受けた息子が「古墳好き」になってくれたのです。というわけでここ最近は、家族で私の大好きな古墳に行く機会が増えてきました。

ただ家族でドライブしているだけでも「ウワー」と感動してたのに、さらに大好きな古墳に連れていってくれるんですよ………!!!! もう「多幸感」がヤバイのです。

私は基本的に自立心が旺盛で、人になにかを頼るのは苦手なタイプでした。好きなところには自分で行くし、誰かに甘えたり頼ったりするのは苦手。というか、どっちかっていうと私の方が誰かの世話をしたり頼られたりする方でした。

しかし、古墳のある場所というのは車でないと行きづらいことが多く、レジャーランドと違って人が少ないんですよね。史跡なので案内看板は大体あるんですが、「本当にこの先にあるの? 」と不安になるような難易度高めの場所が多い。そんなところへ一緒に行ってくれる心強さ……。

古墳へ行くたびにパートナーへの評価が爆上がりする理由には、そんな「本当にこの先に古墳があるのかな」という不安を共有する「吊り橋効果」もあるのでは……? と思っています。そして到着し、「ウワー! 古墳だ! 」と盛り上がった気分を共有できる(かどうかは微妙ですが)ことによって、相手への評価がさらに上がっていくのでした。

息子と私が喜んでいるのを見ると、パートナーも「来てよかったなあ」と思うらしく、古墳へ行くと家族が円満になり幸せになります。たまに疲れた息子がグズって、ちょっとした地獄を味わうこともありますが……大体は幸せな気分になります。

とはいえ、あまりにも「古墳に連れてきてくれてありがとう」と私が言いまくるので、パートナーは「ひょっとして、古墳に連れてきてくれるならオレじゃなくてもいいのでは?」と思うそうで。

うーん、確かにそうじゃないとも……言いきれない……。古墳に車で連れていってくれる相手なら、誰でも5割増しに見えるのでは疑惑。パートナー的には「車でどこかに連れていく」のはそんなに難しい話ではないらしいので、私のことを「古墳に連れていけば大喜びのチョロい女」とよく言っています。

でも、「何かをしてもらうデート」をあまりをしてこなかったタイプの私ですが、40代を過ぎて「自分の好きなところに連れてきてもらう」ことで素直に大喜びできるのは幸せなことだな、と思います。

そして、こういう「ポジティブな感情貯金」をたくさん貯めておくことで、日々のいざこざとか揉めごと、不満を積極的に解消していこうという気力が生まれるような気がします。

ちなみにパートナーは旅行や外食、レジャーが好きなので、そういうところに家族で出かけることが嬉しいようで、出かけ先で家族で食事をしているときなどに「さるころと結婚してよかったなあ」と言ってくれます。我が家の場合はお互いが好きなことを共有できることが、それぞれポジティブな気持ちへ繋がっているようです。

といいつつ、日々は平和でいいことばっかりではなく、一緒に暮らしていれば憤慨するようなことも起こります。ポジティブな日とネガティブな日のバランスを取って総合的に「楽しく快適」だったらいいんじゃないかなと思っています。

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