「家事も育児も家計も全部ワリカン! 」バツイチ同士の事実再婚を選んだマンガ家・水谷さるころが、共働き家庭で家事・育児・仕事を円満にまわすためのさまざまな独自ルールを紹介します。第102回のテーマは「掃除は自己満足になりがちな我が家」です。

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我が家はパートナーが炊事全般。私が掃除洗濯などのハウスキープを担当しています。家事シェアの割合を夫婦で付き合わせると違ったりするという話をよく聞きます。夫は「オレは3割くらいはやっている」と思っているけど、妻から見ると「あんたは1割くらいしかやってない!」とかそういう認識の違いですね。

我が家は先日それを確認する機会がありまして、「家事育児の割合はどれくらい?」とお互いに数字を出したら、どっちも「夫4:妻6」でした。おおお。ぴったり合ってた! ちゃんと話し合って意思疎通できてる……! と日々の努力の成果を見た気がします。

ちなみに純粋に家事だけでいえばたぶん「5:5」くらいなんですけど、育児分が乗って「4:6」になっています。子どもの健康管理とか、身だしなみケアとか保育園の持ち物とか……そういうところは全部私が担当しているので、やっぱり私のほうが負担が多くなっています。

我が家の家事分担は同じタスクをやらない「担当制」なので、「効率的にする」とか「手を抜く」「ここはこだわりなので力を入れる」など、お互いが無理のない範疇で不満がないようにやるという感じです。

相手に対して「もっとこうしてほしい」というお願いはしてもいいのですが、「もっとこうするべきだ」と相手の領域に口出しした場合は「じゃあ自分でやりましょう」となるのが我が家の掟です

という前提で……私が一方的に感じる掃除のジレンマについてです。

以前「脳内小姑」について書きました。自分の中にいる「世間」や「常識」を盾に「できてない」ことを責めてくるという、私の内なる存在についてです。

この存在についてはだいぶ自分の中で折り合いがついてきていて「他者評価よりも自己評価」で生きるように心がけています。なので「自分が快適ならそれでヨシ」ということになっているのですが……。

夫婦間で「どっちがどれくらい家事を担っているか」みたいな話になったときに「夫婦間でタスクとして認識されないことをやっている場合は、評価されるべきなのかどうか?」ということが気になってきました。

外出自粛期間中に「どこにも行かれないから……」と私はお菓子を作りまくっていました。普段全く料理をしない私が、クッキーやパンなどを作っていたのですが、これは「趣味」であって「家事」ではないよな……という認識でした。うちの息子はそこまで甘いものに興味もないので子どものためというわけでもなく、私が「早く事態が沈静してほしい」という祈りをこめて「アマビエ(妖怪)」の形をしたクッキーを焼きまくっていた……という状態でした。

かたや、パートナーは家庭菜園で野菜を育てたり、自分の部屋で虫を飼ったりしています。息子はたまに虫を見て喜んでいるし、一緒に野菜に水をやったり収穫したりしてます。だけど、虫の世話も野菜の世話もパートナーがやりたくてやっている個人的なタスクなので「家事分担」にはカウントされません。

ちなみに私はネコの世話担当です。ネコは虫よりは家族っぽいので「家事タスク」にカウントするか微妙なところです。パートナーはネコにかかる経費を自分も出してもいいと言ったのですが、お財布が別なので結局今は病院も食費も私が出していて、完全に「私のネコ」……という感じです。ちなみに息子にかかる経費についてはワリカンしており、世話のタスクも「家事分担」にカウントされています。

そんな感じでわりと「タスク」の分担をちゃんと認識して、お互いの不公平感をなくそうとしている我が家。ここで「相手が認識していない、必要だと思っていない掃除」はタスクに含まれるのか……?というモヤモヤが発生しました。

まず私のほうが目がよいので、ホコリもゴミも見えるという条件があります。私が掃除担当になったのも「汚れのレベル」が私のほうが気になるからです。ただ、私は仕事で考え事をしているときとか、マンガやコラムのネタを考えるときなどに「掃除をする」傾向があります。これがいつも通りの掃除で終わる場合はいいのですが、考えがまとまらないと「掃除を続行する」ケースがあるのです。

掃除以外でもお風呂で仕事のネタをまとめることも多く、自分のお風呂が終わったあともお風呂のあちこちを掃除したりする機会があります。汚れは取れるし考えはまとまるし、良いことなんですが「これってタスクに入りますか!?」とついついパートナーに対して思ってしまうことがあるのです。

考え事と掃除に集中してるときは、パートナーが掃除した事実に気がついてるかどうかは全く気にならないので、大体そのまま仕事しちゃいます。でもあとからふと「どこどこを掃除したの、気がついた?」と聞いてしまいます。

最近、パートナーに「それ、気がついてないと責められてるみたいだからやめて」と言われてしまいました。「掃除したからほめて!」という気持ちのときは「掃除したの! 褒めて!」と自分から言うのですが、褒められたいわけじゃなくて「この掃除って、自己満足なのかな~」というモヤモヤをつい相手にもわかってもらいたくて聞いちゃうんですよね……。

パートナーの「食事を出す」という行為は、必ず食べた相手にもわかるので「やりましたよ」とか言わなくていいですが、「細かいところの掃除」は言わなかったら誰にも気づかれないのでいつも「自己満足で留めるべきか、共有するべきか……」と悩んでしまうのでした。

とはいえ、パートナーも外出自粛期間中に保育園が休園になり子どものお昼ご飯が増えたときに「大変だ~」と言っていたので「具体的にどうしてほしい」わけじゃないけど「わかってほしい」という気持ちの共有は必要なんだろうな……と思います。家事分担ってタスクそのものだけじゃなくて、やっぱり「気持ちを分かち合う」のも大事なんですよね。

なので、たまにモヤモヤを吐露したり「大変だ」と言ったりするのも大事にしていこうと思います。

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著者プロフィール:水谷さるころ

女子美術短期大学卒業。イラストレーター・マンガ家・グラフィックデザイナー。
1999年「コミック・キュー」にてマンガ家デビュー。2008年に旅チャンネルの番組『行くぞ! 30日間世界一周』に出演、のちにその道中の顛末が『30日間世界一周! (イースト・プレス)』としてマンガ化(全3巻)される。2006年初婚・2009年離婚・2012年再婚(事実婚)。アラサーの10年を描いた『結婚さえできればいいと思っていたけど』(幻冬舎)を出版。その後2014年に出産し、現在は一児の母。産前産後の夫婦関係を描いた『目指せ! ツーオペ育児 ふたりで親になるわけで』(新潮社)、『どんどん仲良くなる夫婦は、家事をうまく分担している。』(幻冬舎)が近著にある。趣味の空手は弐段の腕前。