東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜~金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。

株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏((C) サコカメラ)


経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前週末比+531円91銭となりました。

今週の高値は6月24日(水)の2万952円71銭、一方、安値は22日(月)の2万174円14銭。高安の値幅は778円57銭でした。日経平均株価は24日(水)に、1996年12月以来、18年半ぶりの高値をつけています。

では、具体的にこの一週間を振り返ってみましょう。

6月22日(月)の東京株式市場は続伸しました。前週末の海外市場が下落した流れを引き継ぎ、東京市場も軟調にスタートしました。ただその後、日経平均株価はすぐにプラスに浮上し、ギリシャの支援協議が進展しそうだとの見方から大型銘柄に買い戻しが入り、上げ幅が拡大しました。後場に入ってからは、買いの勢いは増し一段高となるなか、結局、日経平均株価は、ほぼ一日の高値圏で大引けを迎えています。TOPIX業種別株価指数は、銀行、保険、医薬品、陸運、空運、その他金融など28業種が上昇。一方、ガラス・土石、石油・石炭、卸売、紙・パルプ、海運の5業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに続伸となっています。

23日(火)の東京株式市場は続伸しました。ギリシャ支援に関し、早ければ24日にもギリシャへの支援継続が決まるとの楽観ムードが広がり、欧州市場は大幅高、米国市場でもナスダック総合株価指数、ラッセル2000種指数が史上最高値を更新しました。その流れを引き継いだ東京市場も朝方から全面高の展開となり、日経平均株価は堅調に推移しました。後場に入ってからも買いの勢いは衰えず、結局、日経平均株価は+381円と今年最大の上げ幅を記録し高値引けとなっています。終値で2万800円台に乗せるのは、ITバブル期の最高値(2万833円21銭)に迫る15年2ヵ月ぶりのことです。TOPIX業種別株価指数は空運、その他製品、金属、保険、精密、証券、紙・パルプなど全33業種が上昇しています。日経平均株価は続落、TOPIXはともに3日続伸となっています。

24日(水)の東京株式市場は4日続伸しました。ギリシャ懸念が後退したとの見方から前日の欧米市場は堅調に推移しました。一方、パウエルFRB理事による「9月の利上げ開始、年内に2度の利上げ」発言を受け、為替相場はドル高・円安に振れ、日経平均株価は寄り付きの段階で2万889円32銭とITバブル期の最高値(2万833円21銭)を上抜いて始まりました。後場に入るとすぐに、日経平均株価は2万952円71銭と、取引時間中としては1996年12月6日(2万1001円90銭)以来、18年半ぶりの高値をつけました。終盤はやや伸び悩んだものの結局、日経平均株価は1996年12月5日(2万943円90銭)以来の高値で大引けを迎えています。TOPIXも2007年8月9日以来、7年10ヵ月ぶりの高値となっています。TOPIX業種別株価指数は、海運、証券、ガラス・土石、倉庫、卸売、非鉄など24業種が上昇。保険、自動車、繊維、水産、陸運、建設など8業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに4日続伸となっています。

25日(木)の東京株式市場は反落しました。ギリシャ債務問題の懸念が再燃し、前日の欧米市場は下落しました。その流れを引き継いだ東京市場も朝方から売りが先行し、日経平均株価は序盤に-109円となる場面がありました。ただ、下値では押し目買いも入りやすく、日経平均株価は上値も下値も限られ、後場に入ると膠着相場となり、結局、-96円で大引けを迎えています。TOPIX業種別株価指数は、海運、その他製品、石油・石炭、保険など8業種が上昇。一方、ゴム、ガス、紙・パルプ、不動産、輸送、倉庫など25業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに5日ぶりの反落となっています。

26日(金)の東京株式市場は続落しました。ギリシャへの支援を議論したユーロ圏財務相会合が結論を持ち越したことから、前日の米国市場は下落しました。その流れを引き継いだ東京市場も朝方から軟調に推移し、日経平均株価は前場の終盤に-121円となる場面もありました。ただ、下値では押し目買いが入りやすく、後場に入ると、日経平均株価は下げ幅を縮小し、プラス圏に浮上する流れとなりました。その後は売り買いが交錯するなか、大引けまでギリシャ債務問題への懸念が燻り続け、結局、日経平均株価は-65円で大引けを迎えています。

TOPIX業種別株価指数は、その他金融、銀行、保険、繊維、空運、倉庫、証券など14業種が上昇。一方、鉄鋼、ゴム、鉱業、非鉄、石油・石炭、陸運など19業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに続落となっています。

来週の予定です。6月29日(月)には、5月分の鉱工業生産指数の速報値が発表となります。6月30日(火)には6月分のユーロ圏消費者物価指数の速報値が発表されます。7月1日(水)には6月分の日銀短観と路線価が公表されます。7月2日(木)には日銀が企業物価見通し、生活意識に関するアンケート調査を発表します。また、米国では6月分の雇用統計が発表されます。7月3日(金)は米国市場は休場(独立記念日前日)です。いずれもぜひチェックしておきたいところです。

執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)

経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。