東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜~金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。

株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏((C) サコカメラ)


経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前週末比-548円87銭となりました。

今週の高値は8日(月)の1万8030円83銭、一方、安値は11日(木)の1万7043円63銭。高安の値幅は987円20銭でした。週半ばに677円下落したものの、週末は反発しています。

具体的にこの一週間を振り返ってみましょう。

8日(月)の東京株式市場は7日続伸しました。前週末の米国市場が上昇した流れを引き継ぎ東京市場も朝方は買いが先行しました。米国経済が堅調なことや、為替相場がドル高・円安で推移したことを背景に、日経平均株価は一時、2007年7月24日以来7年4カ月ぶりに1万8000円台を回復する場面もありました。その後、前場中ごろからは、7-9月期のGDP(国内総生産)の下方修正や11月分の景気ウォッチャー調査の悪化が嫌気され、下げに転じる場面へと変わりました。ただ、下値では日銀によるETF(上場投資信託)買いに対する期待から押し目買いも入りやすく、結局、日経平均株価は+15円で大引けを迎えています。TOPIX業種別指数はゴム、非鉄、自動車、紙・パルプ、食料品、サービス業、医薬品など18業種が上昇。一方、鉱業、水産、その他製品、保険、電気・ガス、陸運など15業種が下落。

日経平均株価、TOPIXともに7日続伸となっています。

9日(火)の東京株式市場は8日ぶりに反落しました。前日の欧米市場が下落した流れを引き継ぎ、東京市場も朝方から売りが先行しました。為替相場が円高に振れたことで、輸出関連株を中心に売りが広がりました。前場後半に、やや下げ渋る場面が見られたものの、後場に入り、円高が進むと日経平均株価も一段安の展開となりました。ただ、下値では日銀によるETF買い観測から押し目買いも入りやすく、結局、日経平均株価は1万7800円をキープして大引けを迎えています。TOPIX業種別指数は食料品、電力・ガス、銀行、陸運の4業種が上昇。一方、証券、鉱業、精密、ガラス・土石、電機、機械、金融など29業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに8日ぶりの反落となっています。

10日(水)の東京株式市場は続落しました。大統領選出を巡る混乱からギリシャの株式相場が大幅安となるなか、9日の欧米市場が下落。その流れを引き継いだ東京市場も朝方から売りが先行しました。メジャーSQ(株価指数先物・オプション12月物)特別清算指数の算出を12日に控え、持ち高調整による先物売りが先行し、先物安につれて幅広い銘柄に利益確定売りが広がりました。日経平均株価の下げ幅は、一時、-500円となる場面もありました。軟調な展開となるなか、結局、日経平均株価は-400円で大引けを迎えています。

TOPIX業種別指数は鉱業、水産の2業種が上昇。一方、ゴム、自動車、化学、鉄鋼、機械、繊維など31業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに続落となっています。

11日(木)の東京株式市場は3日続落しました。前日の米国市場が下落したことや為替相場が1ドル=117円台と、円高に振れたことから、東京市場は朝方から全面安の展開となりました。日経平均株価は一時、-368円となる場面もありました。ただ、その後は円高が一服するのにつれて下げ幅は縮小し、後場に入ると膠着状態の展開となりました。結局、日経平均株価は-155円で大引けを迎えています。

TOPIX業種別指数は空運、陸運の2業種が上昇。一方、鉄鋼、銀行、不動産、金属、医薬品、ガラス土石、証券など31業種が下落。日経平均株価、TOPIXはともに3日続落となっています。

12日(金)の東京株式市場は4日ぶりに反発しました。前日の米国市場が反発の展開となったことから、東京市場も朝方から買いが先行しました。メジャーSQの推計値(1万7281円64銭)も波乱なく算出され、相場全体に安心感が広がりました。低迷していた内需関連株にも買いが入り、日経平均株価は一時、+268円となる場面もありました。ただ、後場中ごろからは伸び悩み、結局、日経平均株価は+114円で大引けを迎えています。

TOPIX業種別指数では、電力・ガス、建設、精密など16業種が上昇。一方、紙・パルプ、その他金融、石油・石炭、卸売、その他製品など17業種が下落。

日経平均株価、TOPIXともに4日ぶりの反発となっています。

来週の予定です。IPO(新規公開株・新規上場企業)が14社あります。そして、15日(月)には国内で日銀短観(日銀企業短期経済観測調査)が発表されます。17日(水)、18日(木)は米国でFOMC(米公開市場委員会)が開催されます。18日(木)は中国で11月分の主要70都市の新築住宅価格動向が発表となります。18日(木)、19日(金)は国内で日銀金融政策決定会合が開かれます。いずれもぜひチェックしておきたいところです。

執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)

経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。