ハルメク 生きかた上手研究所は8月5日、「お金に関する意識・実態調査」の結果を発表した。調査は2026年6月11日~6月15日。55~79歳の女性498名を対象にインターネットで行われた。
「お金の使い方」への満足度は2025年より約4ポイント増加
「お金の使い方」に満足している(とても満足している+満足している+やや満足している)割合は52.1%と2025年に比べ3.9ポイント増加。特に55~59歳で12.8ポイント、75~79歳で9.2ポイントと満足度が高まった。
お金の使い方に満足している主な理由は年代によって違いがあり、50代では「節約と出費をコントロールできている」こと、70代では「好きなようにお金を使えている」ことが満足感につながっている。逆に満足していない理由は「使いたいけど節約してしまう」「節約したいけど使ってしまう」の2つの傾向に分かれている。特に子育ての終了や仕事をやめて年金生活に入る、などライフステージの過渡期にある60代でお金の使い方に戸惑う声が聞かれた。
満足している理由
- 「見切り品を買う・光熱費節約等しつつ、無駄をしないを心がければ問題は起こらない」(58歳)
- 「無駄遣いをしないよう気を付けている。ただ、経済を回すために適度には使う」(59歳)
- 「日々の生活に不安がない上、時々海外旅行に行けるくらいの余裕があるから」(74歳)
- 「この年になると、欲しい物は買わないといつどうなるか分からないので我慢はしません。ですので、満足しています」(78歳)
満足していない理由
- 「少なくなった収入の範囲で暮らさなくちゃと思いつつ、どうしても、現役時代と変わらない生活になってしまう(63歳)
- 「まだ子育て時期のクセが抜けずブレーキがかかり、自分のために使えない」(65歳)
- 「自分で言うのもどうかと思うが浪費家だから節約がとても苦手。昨年仕事(パート)を辞めて年金だけの生活になったが、相変わらず生活習慣を変えられなくて貯金を取り崩している。それに加えてこのところの物価高。今後は節約もしっかりしていくべきだと自戒している」(68歳)
- 「働いているので、年金以外の収入が少しあり、洋服や化粧品を買ってしまう」(69歳)
「衣類・アクセサリー」「美容」は節約意向が低下
「これから節約・削減したい費目」の1位は昨年と同様「衣類・アクセサリー」だが、節約意向は2.9ポイント低下。「美容」も4.7ポイント低下した。一方で「お菓子・お酒などの嗜好品」「食料品」は増加した。
「お金の守り方・増やし方」の満足度も約5ポイント増加
「お金の守り方・増やし方」に満足している(とても満足している+満足している+やや満足している)割合は2025年より4.5ポイント増加しており、特に55~59歳、75~79歳の2層で満足度が増加。
投資に前向きな人は満足度も高い
積極的に投資・運用している人は満足度が高く、NISAが好調なことも満足度の高さに寄与している。一方、「忙しくて投資・運用にまで手が回らない」、「リスク懸念から投資に踏み込めていない」人は満足度が低い傾向がある。
満足している理由
- 「これは今だからこそですが、NISAが好調であること(私は新NISAになる前からやっているので余計にそう感じています)。主人が前々からやっていた会社の株も調子がよく、今時点では満足です」(57歳)
- 「夫は全くノータッチなので、自分で勉強して株を始めた。ちょっと失敗もしたけれど、今現在リスク資産も順調に増えてきたので満足している」(68歳)
- 「投資信託とNISAは銀行などの貯蓄とは全然違うので、増え方にはとても満足している」(78歳)
満足していない理由
- 「もっと賢い方法があるはずだが、介護等で忙しすぎて、じっくりと資産管理に向き合う時間が取れない」(65歳)
- 「怖くて投資などに手を出すことが出来ないので、定期預金などの利息が増えているだけ。どんどん減っているように思う」(66歳)
投資割合は2025年より約5ポイント増加
投資をしている人の割合は2025年から約5ポイント増え、64.8%となった。保有・運用している商品は新NISAがトップで、特に55~69歳で高い。次いで国内株式、投資信託となっている。
投資をする理由
投資をする理由として全年代で最も多かったのは「老後の生活費の補填(年金の補完)」。次いで「ゆとりある暮らし(趣味・旅行)の原資づくり」。
年代別にみると、60代では「医療費や介護費など『もしも』の資金確保」、55~59歳では「インフレ(物価上昇)による資産目減りの防止」など、生活防衛、リスク管理の手段として投資をしている様子もうかがえる。
55~64歳では投資理由として「新NISAなど税制優遇制度の充実」が比較的高く、当該年代の新NISA保有率が高い背景となっていると考えられる。
「将来のお金に対する心配」は減少
将来のお金について「心配している」(とても心配している+心配している+やや心配している)と答えた割合は、全体で2025年より約5ポイント減少。主な理由は「今の資金で老後もまかなえる目算が立っているから」。一方心配している理由は現状の物価高や不測の事態への不安。
心配していない理由
- 「年金ももらえると思うし、主人も65歳まで働くと言っているし、自分が働ければ良いと思っているので」(57歳)
- 「今のままの生活を継続する限り、充分資金が足りると思っている」(67歳)
- 「金融資産に築5年のマンションがあるし、この国は生活保護も高額医療費・介護費限度額もあるので」(70歳)
- 「主人が亡くなり、遺産を子どもたちに分けた後、自分の財産を計算したら、老後に十分なものがあることがわかったから」(78歳)
心配している理由
- 「収入減なのに物価高で今から預金を崩しているので」(56歳)
- 「ある程度の備えはあるが、それでは不足となる事態が起きるかもしれないから。杞憂かもしれないが」(60歳)
- 「この先の物価高騰や病気、老後の生活などにより、お金の使い方がだいぶ変わってくると思うので心配は尽きない。いくらあったら充分ということはない」(69歳)
保有している財産、55~64歳では「残さずに使い切りたい」が最多
財産を将来的にどうしたいかという問いに対し、全体では「親族や知人に残したい」が最も多かったものの、55~64歳の層では「残さずに使い切りたい」が「親族や知人に残したい」を上回った。旧来の「子どもに財産を遺す」という価値観から、「自分の人生のために、自分のお金を使い切る」という自立した考え方へと、マネー観が転換していることがうかがえる。
「社会のために役立てたい」は55~59歳で14.3%にとどまった一方で、60代以上は3割前後が「そう思う」と回答している。








