ユーチューバーは副業になるのか

近ごろ、「ユーチューバー」と呼ばれる職業の人を、テレビなどで見かけることが多いですよね。なかには知名度が上がり、タレントのような地位を築いている人もいます。今では誰もが知るようになった「ユーチューバー」。華やかで楽しそうな稼ぎ方ですが、副業として成り立つものなのでしょうか。

• ユーチューバーって本当に職業になるの?

ユーチューバーになるには

今さらですが、「YouTube」とは無料で利用できる動画共有サイトです。そのYouTubeに自分が撮影した動画をアップロードする「ユーチューバー」は、動画の再生回数などに応じて収入を得ることができます。

ユーチューバーが配信する動画の内容は、実にさまざま。面白いことに挑戦するような動画が話題になりやすいですが、ほかにも、ゲームの実況中継や、メイク術の紹介、特技の披露など、幅広いジャンルの動画が配信されています。

有名ユーチューバーになってファンが増えると、特別なことをせず、日常生活や旅行など何気ないホームビデオの延長のような動画でも、多くの再生回数が見込めることもあります。

ユーチューバーとしての作業は、基本的にはこうした動画を作って撮影してアップすること。ただし、多くの人に興味を持ってもらえる動画を撮影するのは、容易なことではありません。企画を考え、内容によっては小道具やセットを用意、人手や場所の確保もしなければなりません。また、たとえば10分の動画を撮るにしても、撮影時間10分で済むわけではなく、飽きられずに視聴してもらうために、編集やテロップ、効果音などを入れることもあります。

1本の動画を撮るだけでも時間がかかりますので、片手間で簡単に大金を稼ぐということは難しいでしょう。動画の内容によっては、週に数本の動画を撮るだけでも、平日の帰宅後数時間や休日を丸々費やす可能性もあります。

「YouTubeパートナープログラム」とは?

ユーチューバーとして収入を得るには、まず「YouTubeパートナープログラム」に参加する必要があります。チャンネルの過去12ヶ月の総再生時間が4,000時間、チャンネル登録者数が1,000人に達していると、プログラムに参加できるかどうか審査してもらえるようになります。YouTubeで収益化を目指すなら、まずはこの条件をクリアしなければいけない点に注意が必要です。

また、動画を撮るだけであれば、スマートフォンやビデオカメラがあればなんとかなりますが、撮影した動画の編集技術は必要になるでしょう。そして何より、人に求められる動画のアイディアを生み出すことや、動画を魅力的に見せる工夫、自分が商品となる場合は、タレント性を持っていることも重要です。

ユーチューバーになるにあたっては、最低限、動画を撮影できればまずは大きなコストがかかることはありません。ただし、より高度な撮影や動画編集を行うためには、高価なカメラや機材、編集ソフトなどを購入する必要があります。

年収が数億円になることも?

では、ユーチューバーはどのくらい稼げるものなのでしょうか。有名ユーチューバーともなると、年収が億単位になるとも言われていますし、ユーチューバーだけで生計を立てている人も多く目にするようになりました。動画投稿だけで生活できるとなればとても夢のある話ですが、実際のところはどうなのでしょう。

動画が再生されることで得られる収益は、チャンネル登録者数や再生時間、また最近では、動画の視聴時間も加味されて決まる仕組みになっており、1再生ごとに約0.05～0.5円と幅があるようです。仮に1再生で0.1円とすると、月1万円を稼ぐのに10万回の再生が必要ということになります。

ただし、月数本の動画を投稿しても、収益は数百円～数千円程度にとどまる人が多いようです。ユーチューバーは、年収としては数万円程度の人が圧倒的とも言われており、作業の分だけ確実に副収入を得たいという人にとっては、あまり向かない方法かもしれません。

ユーチューバーの将来性

一方で、ユーチューバーは人気に火が付けば、大きな収入が得られる職業です。「将来なりたい職業」として子どもにも人気がありますし、何よりユーチューバーは見ていて楽しそうなのが大きな魅力でしょう。YouTubeの利用者層も広がってきていますし、スマートフォンやタブレットの普及によって、今後もYouTubeの人気や需要は高まっていくことが予想されます。

だからといって、現状より収益に結び付くようになるかと言えば、そうとも限りません。すぐに結果を求めるのではなく、本業の合間を縫ってユーチューバーとしての活動を続ければ、注目される可能性もあるでしょう。また、必ずしも収入を目的とせずに、趣味として動画を投稿したり、特技を発表する場として宣伝の意味で活用したりすれば、新たな道が開けるかもしれません。

楽しみながら取り組んでみよう

気軽に始められる一方、成功するのは一握りという厳しい現実があるユーチューバー。副業として収入にこだわるより、まずは、自分にどのような企画やコンテンツが作れるのかを考え、楽しみながら取り組むことができれば一番いいですね。

• ユーチューバーの総合評価

イラスト＝竹村おひたし