先週月曜日(米国時間17日)に、本連載で何度か紹介したこともあるジミー・ファロンが、ついに米NBCの深夜トーク番組「Tonight Show」の司会としてデビューした。
[Jimmy Fallon Kicks Off The Tonight Show]
(神妙な顔で自己紹介などしているジミー)
60年も続いている老舗のトークショー、しかも歴代7人目の司会者ということもあってか、エンタテインメント系の各媒体をはじめとして、Bloombergのような経済ニュースやテクノロジー系ブログのThe Vergeあたりでもこの話題を採り上げた記事が掲載されていた。
The Wrapによると、番組の滑り出しは上々で、初週には約840万人の視聴者を集めたという。ただ、同週は「The Tonight Show」の前にソチ五輪の中継をしており、NBCとしては視聴者がそのまま流れるのを期待していたそうで、いわば少々下駄を履いた格好。第2週目の今週からいよいよファロンの進化が問われる、といったところらしい。
またウェブでの反響もなかなかのようで、YouTubeでの再生回数は全エピソードをあわせて3700万回以上、100万回を超えたエピソードも9本を数えたという。
番組の内容(フォーマット)自体は「Late Night」と時のほとんど同じーー変わったのは、セットと客席の椅子が前よりも豪華になったくらいではないか、と思えるほど。けれど、一週目のゲストの顔ぶれからはNBCの力の入れようがハンパでないことも伝わってくる。
下掲のビデオ・リスト(再生回数の多かったもの)に出ているものは、5番目を除いて、いずれも過去に人気の高かったスキットの焼き直しだが、昔から仲のいいジャスティン・ティンバーレイクとは「ラップの歴史」の第5弾をやっているし、ウィル・ファレルと共演の「Ew!」にはなんとミシェル・オバマ大統領夫人まで登場。さらに、NBCのサイトだけで公開されている音楽アーティストのパフォーマンスのなかには、ティンバーレイクやレディー・ガガ(米国限定)、そしてU2のものある(夕暮れ時のロックフェラーセンター屋上で収録)。
1. “Evolution of Hip-Hop Dancing” (w/ Jimmy Fallon and Will Smith)
大人気の「ダンスの進化」シリーズ、最新版はウィル・スミスが相方だ。
2. Brian Williams Raps “Rapper’s Delight”
ふだんは硬い報道番組のキャスターを務めているブライアン・ウィリアムズは、以前にSlow Jamに生出演していたこともあった。マッシュアップ=編集の技が光る。
3. “History of Rap 5″ (Fallon and Justin Timberlake)
SNLなどでもしょっちゅう共演している印象があるティンバーレイクとファロンの名物「ラップの歴史」第五弾。若い頃のものと比べると、ファロンの息が上がるのが早くなっているような印象も受ける。
4. "Ew!" with Fallon, Will Ferrell and First Lady Michelle Obama
名物スキットの“Ew!”にはミシェル夫人も登場。「ステップ・ダディーのガーリー」もやっぱり割り込んでくる。
5. Jimmy's $100 "Tonight Show" Bet
ロバート・デ・ニーロ、ジョー・ネイマス、ジュリアー二元ニューヨーク市長、マライア・キャリー、キム・カーダシアン、リンジー・ローハン、サラ・ジェシカ・パーカー、マイク・タイソン、レディ・ガガ、スティーヴン・コルベア……全部わかったら、相当な米テレビ通であること間違いなし。
Wikipediaによると、過去の番組司会者の登板回数は、1962年から92年まで30年にわたって司会をつとめたジョニー・カーソンの4531回、また前任者のジェイ・レノが合計4610回などとなっている。これを超えるには年間250回(週5回x50週)としてもざっと18~19年くらいかかる計算になるが、ジミー・ファロンはまだ若い(今年9月で満40歳)から年月だけでいえば十分超えられそうにも思える。ファンとしてはファロンが末永く務めてくれることを期待するばかりである。
追記:ゲイ告白のNBA選手がついに試合に出場
NBAの現役選手ジェイソン・コリンズがゲイであることをカミングアウトしたという話は昨年春に触れた通りだが、そのコリンズが23日にブルックリン・ネッツ(!)と10日間契約し、当日のLAレイカーズ戦でついに試合に出場した(今シーズンはそれまで4カ月ほど)。
[Jason Collins Returns to the NBA in Historic Fashion]
ゲイであることを明らかにした選手が本番の試合に出場するのは、米4大スポーツ(NFL、MLB、NBC、NHL)においてこれが初めて。今月はじめには、プロ入り間違いなしとされる大学フットボールのスター選手、マイケル・サム(ミズーリ大学、オール・アメリカン選出)がやはりゲイであることを明かしていたから、長い間マッチョな世界(で偏見も強い)とされていたプロスポーツの分野でも、いっきに変化の流れが進むことになるかもしれない。
[Mizzou's Michael Sam says he's gay - NBA]
ネッツはジェイソン・コリンズがプロ生活を始めたチームで、現在ヘッド・コーチを務めるジェイソン・キッドは現役時代にコリンズとともにNBAファイナルまで進んだ経験の持ち主。また主力のケビン・ガーネット、ポール・ピアースとは昨年ボストンで、ジョー・ジョンソンとは以前にアトランタでそれぞれ一緒にプレイした経験があり、またデロン・ウィリアムズとアンドレイ・キリレンコはかつて在籍したユタで、コリンズの双子の兄弟であるジャロン・コリンズと一緒にプレイしていたこともある。コリンズの人柄や、そしてなによりもプロ選手としてどれくらい当てにできるか、ということを知っている選手が多いのも、球団側の思い切った決断に繋がったようだ。
情報参照元
・The Tonight Show Starring Jimmy Fallon - NBC
・How Fallon’s ‘Tonight Show’ Debut Week Ratings Stack Up to Kimmel, O’Brien and Leno - The Wrap
・9 of Jimmy Fallon’s ‘Tonight Show’ Videos Hit Over One Million Views In First Week - The Wrap
・Collins Finds Spot Again, Moving the N.B.A. Forward - NYTimes