私はかれこれ20年近く、家計のやりくりの取材をしてきました。その中には、貯蓄が1,000万円以上ある人も、少なくありませんでした。その人たちが、とりわけ収入が多いというわけではありません。年収300万円台(手取り)というケースもたくさんありました。

また、お金を使わないケチケチ生活をして、ギスギス暮らしているわけでもありません。要するに、お金のやりくりが上手なのです。ということは、そのやりくりの仕方をまねすれば、誰でも1,000万円貯めることが可能というわけです。是非今日からまねしてみてください。

お金を貯めるなら、自動的 & 強制的に先取り貯金する

大抵の人は、「お金を貯めたい」と思うものです。お金を貯める一番の近道は「先取り貯金」にあります。これまでにも、何度も、何度もしつこく書いてきました。

お金を貯める一番の近道は「先取り貯金」(画像はイメージ)

そして、先取り貯金は自分で毎月、入金するのではなく、自動的 & 強制的に貯まるようなシステムを作って、勝手に貯まるようにすることが肝です。その点、銀行の自動積立の定期預金は便利です。給与振込口座がある銀行で、自動積立の定期預金をつくると、給料日やその翌日などあらかじめ指定した日に、決まった金額を定期預金口座に入金=振替できます。もちろん、手数料はかかりません。

振替日と金額を設定する手続きを1回すれば、あとは自動的 & 強制的に毎月、定期預金がつくれるというわけです。

ネット銀行で自動積立の定期預金を作るには?

「どうせ定期預金口座を作るなら、少しでも金利が高い方がいい」と思うもの。となれば、ネット銀行です。ネット銀行は実店舗を持たないので、人件費や賃料などの負担が軽減される分、基本的に大手都市銀行などと比べて預金金利が高めに設定されています。

そこで、ネット銀行で自動積立の定期預金を作れば、金利が高めの定期預金で、毎月、先取り貯金ができる……ということになります。ただし、残念なことに、一般の銀行のような自動積立の定期預金をつくれるネット銀行は限られています。

積立式の定期預金に近いサービスを提供しているネット銀行は、ソニー銀行、楽天銀行、イオン銀行の3つ。積立式の定期預金口座を作る基本的な手順は、次のようになります。

(1)積立式の定期預金口座を開くネット銀行に普通預金口座を開設する。この普通預金口座に、定期預金の積立金分の残高をキープしておく。残高不足だと、積立金が振替できない。
(2)普通預金口座から定期預金口座に積立金が振替えられる。
(3)普通預金への入金は、ネットバンキングで振込むか、コンビニATMなどの提携ATMから入金する。この場合、振込手数料や入金手数料がかかる場合があるので要注意。

ソニー銀行の「積み立て定期預金」

・普通預金口座から毎月一定の金額を定期預金口座に自動的に預け入れることができます。
・月々の積立金額は1,000円以上1,000円単位。ボーナス時などの増額も年2回まで可能。
・積立金額の設定はインターネットで操作します。
・ソニー銀行には、一度、設定すれば、他行からソニー銀行の普通預金口座に、毎月決まった金額を自動的に手数料無料入金できる「おまかせ入金サービス」があります。このサービスを利用すると、普通預金に入金する手間が省けます。

楽天銀行の「定期預金の積立購入」

・指定した日に、毎月、自動的に普通預金口座から定期預金口座に預け入れることができます。
・月々の積立金額は1,000円以上1円単位。あらかじめ指定した月に増額可能。
・コンビニATMから楽天銀行の普通預金口座に入金する際、3万円未満の場合は手数料がかかります。他行から振込む場合にも、振込手数料を要チェック。

イオン銀行の「積立式定期預金」

・指定した日に、指定金額を毎月、普通預金口座から自動的に「スーパー定期」に預け入れることができます。
・月々の積立金額は5,000円以上1,000円単位。年6回まで増額可能。
・イオン銀行の普通預金口座に入金する際、イオン銀行のATMを利用すれば手数料は無料。

最近は給与の振込先口座を2カ所に指定できる会社もあります。そういう場合は、振込先の1カ所を積立式の定期預金口座が作れるネット銀行の普通預金口座を指定すれば、普通預金口座に入金する手間が省けます。

一度先取り貯金の仕組みを作ってしまえば、あとは自動に振り込まれます。みなさんもネット銀行で積立式の定期預金口座を作り、一般の銀行の金利よりも若干高めのお得をゲットするというのはいかがでしょうか?


村越克子
フリーランスライター。学習院大学文学部心理学科卒業。編集会社を経て、フリーに。主婦を読者対象とした生活情報誌を中心に執筆。家計のやりくりに奮闘する全国の主婦を取材し、節約に関する記事を数多く手がける。執筆協力に『綱渡り生活から抜けられない人のための絶対! 貯める方法』永岡書店など。