連載コラム『年収350万円で200万円貯めた! 元会社員の節約術』は、若くしてお金を貯めるにはどうすればよいかについて、執筆者の美月小夜(みづきさよ)氏が自身の実体験に基づき、"究極の節約術"を伝授します。


新しい生活にも慣れてきた頃、私の頭の中ではある思いが日に日に大きくなっていました。「仕事を辞めたい」。

毎日同じ時間に出勤をして、残業をしても、固定給のため残業代はつかない。売上が関わる仕事をして、2年連続で業績が上がっても、給料が変わるわけでも、ボーナスが増えるわけでもない。そして、地味に体力を消耗する業務内容だったため、仕事自体をこなせる年齢にも限界が見えてきている。遅かれ早かれ決断をしなければならないとは考えていました。とは言え、通常の思考回路であれば、マンションを購入してローンがあるのなら、たとえ固定給であろうと毎月安定した収入があるのであれば、仕事を辞めるべきではないと考えるのは当然のことでしょう。

しかし、私の中では自分の住まいを持ったことが仕事を辞めるきっかけとなってしまいました。なぜかと言えば、とりあえずは夢であり目標であった「自分の住まい」を手に入れることができたからです。転職をしてしまったら、しばらくは住宅ローンの審査も厳しくなるでしょうし、フリーになったとしたらそれこそ審査は通らなくなるでしょう。現状、完済はしていなくても、既に融資は実行されており、毎月の返済を滞りなくしさえすれば、抵当権が実行されてマンションが人手に渡ることもない。そして、収入のアテがないわけではありませんでした。それは趣味で続けていたことが少しずつ仕事になり始めていたからです。

趣味が仕事になる。これほど嬉しいけれど、リスキーなことはない。でも、やるなら今しかない。これなら年齢を重ねても、続けられ、ある程度の収入は見込めるのではないかと皮算用をしていました。そしてもし、食べることにも困るようであれば、アルバイトをして食いつなごうとも決めていました。自分1人食べるくらいは問題なく稼ぐことはできる。養うべき家族もいない、住宅ローンはボーナス払いをしていない。ある意味タイミング的にも悪くはない。あと一押しあれば、飛び込める。そんな気がしていました。

そして、私には「節約」がある! 最後はこれで、会社を辞める決意をし、新しい世界に飛び込むことにしました。どんなに収入が減ったとしても、私にはやりくりする自信がありました。もちろん0円ではムリですが…。

勢いよく飛び込んだ新しい世界ですが、すぐに忙しくなることもなく、給料日を指折り数えることもなく…。仕事をいただいても、振り込まれるのは3カ月後…といった状況。さて、どうしよう…。